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江戸東京博物館で「ファインバーグ・コレクション展 江戸絵画の奇跡」を観た!

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会期終了が間近に迫るなか、江戸東京博物館で「ファインバーグ・コレクション展 江戸絵画の奇跡」を観てきました。「ファインバーグ・コレクション」とは、日本美術蒐集家のファインバーグ夫妻のコレクションを指します。夫妻は、1970年代にニューヨークのメトロポリタン美術館で初めて日本美術に触れ、その後、40年以上にわたって日本美術の研究と蒐集を続けられています。


そのコレクションの中核は、江戸時代の絵画です。コレクションの特徴は、狩野派や土佐派など官画派の保守的な作品がほとんど含まれず、江戸時代の民間画派の、自由で活気に満ちた肉筆画の作品が中心となっていることです。今回の展覧会、その精華である江戸絵画を、「琳派」「文人画」「円山四条派」「奇想派」「浮世絵」の5つのジャンルに分けて展示してあります。このジャンル分けが、たいへん分かり易い構成になっています。


鈴木基一の「群鶴図屏風」は、尾形光琳の作を源泉とする、金地に意匠化した川と鶴の群れを描いた屏風です。師の抱一が亡くなる前後の20代後半から30代前半の意欲作です。谷文晁の「秋夜名月図」、横幅が170cm近い大画面に、円い大きな月が浮かび、右下方から葦が伸び上がっています。すべて水墨で描かれています。「文晁圖書」と刻した巨大な印章が目を引きます。円山応挙の「孔雀牡丹図」、大きな尾を上へ振り上げて後を振り返る一羽の孔雀が描かれています。鮮やかな孔雀の羽と孔雀を取り囲むような大輪の花を咲かせる牡丹、薄青く着色された太湖石によって、装飾的な画面になっています。


森狙仙の「滝に松樹遊猿図」、左幅では画面左下から立ち上がる大きな松の枝先で五頭の猿がさまざまな姿態を見せています。右幅には左幅から伸びる松枝の一部と、背後にうっすらと滝が見えるのみで、猿は一頭も描かれていません。曾我簫白の「宇治川合戦図屏風」、平家物語の一節で、宇治川の先陣争いを描いた作品です。長沢蘆雪の「拾得・一笑・布袋図」、中央に竹と三匹の仔犬、右に布袋、左に拾得が描かれています。中幅の犬に竹が描かれた巣は、「竹」と「犬」の自を組み合わせると「笑」という字になるので、「一笑図」とも呼ばれているという。


展覧会の構成は、以下の通りです。


Ⅰ 日本美のふるさと 琳派

Ⅱ 中国文化へのあこがれ 文人画

Ⅲ 写生と装飾の融合 円山四条派

Ⅳ 大胆な発想と型破りな造形 奇想派

Ⅴ 都市生活の美化、理想化 浮世絵



Ⅰ 日本美のふるさと 琳派




Ⅱ 中国文化へのあこがれ 文人画



Ⅲ 写生と装飾の融合 円山四条派




Ⅳ 大胆な発想と型破りな造形 奇想派




Ⅴ 都市生活の美化、理想化 浮世絵



「ファインバーグ・コレクション展 江戸絵画の奇跡」

米国メリーランド州にあるファインバーグ・コレクションは、米国屈指の日本美術コレクターであるファインバーグ夫妻が一代で蒐集した、江戸絵画を中心とする日本美術のコレクションです。このコレクションの特徴は、狩野派や土佐派など官画派の保守的な作品がほとんど含まれず、江戸時代の民間画派の、自由で活気に満ちた肉筆画の作品が中心となっていることです。尾形光琳、酒井抱一らの琳派、池大雅、与謝蕪村、谷文晁らの文人画、円山応挙、呉春らの円山四条派、伊藤若冲、曽我蕭白らの奇想派、そして菱川師宣、葛飾北斎らの浮世絵など、内容は実に多彩です。また、いずれの作品も質が高く、全体として上品な雰囲気を持っていることも大きな特徴です。本展では、このようなファインバーグ・コレクションを、日本で初めてまとまった形で紹介いたします。コレクションから選び抜かれた優品約90件を通じて、百花繚乱の江戸絵画の世界をお楽しみ下さい。


「江戸東京博物館」ホームページ


とんとん・にっき-edo1 ファインバーグ・コレクション展 

江戸絵画の奇跡

図録

編集:

江戸東京博物館

MIHO MUSEUM

鳥取県立博物館

読売新聞東京本社

発行:

読売新聞社






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