チェン・カイコーの作品は、ずいぶん昔に「さらば、わが愛/覇王別姫」(1993年)を観たことがありますが、名前が知られている割りには作品を観ていないことに気がつき、去年、まとめてDVDを借りて観ることにしました。観た作品は3本、デビュー作の「黄色い大地」1984年、そしてハリウッドに進出したが失敗作と言われている「キリング・ミー・ソフトリー」2001年、そして作家性が感じられないと批評されていますが、興行的には大当たりした 北京ヴァイオリン」2001年です。
もちろん、チェン・カイコーとチャン・イーモウは、なにごとも比較されているのは知っています。そんなわけで、チャン・イーモウの作品もできるだけ観ることにしています。
この作品、司馬遷の「史記」に記され、2,600年もの間語り継がれてきた物語「趙氏孤児」を映画化した感動の歴史ロマンとありますが、得てして歴史物は似たり寄ったり、旧約聖書にもこのような話があったり、また、韓国ドラマの歴史物も同じようなものがあったりします。あるいは日本の時代劇にもよくありそうな話です。いわゆる「かたきもの、あだうちもの」です。つまり、物語としてはおおいに陳腐なものだと、僕は言いたい。
が、しかし、僕が感動したのは、一族の遺児を引き取る主人公の医師に、「活きる」でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞した演技派グォ・ヨウ。そうです、「活きる」の主役を務めた演技派グォ・ヨウです。主人公である“福貴”の青年時代から老年までを演じました。事前になにも調べてなかったので、見始めてすぐに、これは「活きる」の俳優だと、すぐに気がつきました。どこかで読んだら、グォ・ヨウは「活きる」だけで、その後活躍していないというようなことが書いてありましたが、これを観て、そんなことはない、さすが見事な演技力だなと思い、感動しました。
付け足しですが、子役が上手い。それがこの作品を盛り上げています。
以下、とりあえずシネマトゥデイより引用しておきます。
チェック:『さらば、わが愛/覇王別姫(はおうべっき)』などのチェン・カイコー監督が、司馬遷の「史記」に記され、2,600年もの間語り継がれてきた物語「趙氏孤児」を映画化した感動の歴史ロマン。謀略により滅亡させられた一族の子をめぐり、苦悩と葛藤(かっとう)が入り乱れる愛憎劇が展開する。一族の遺児を引き取る主人公の医師に、『活きる』でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞した演技派グォ・ヨウ。命と愛をテーマにした、チェン・カイコー監督ならではの作品世界が堪能できる。
ストーリー:中国・春秋時代、晋の国。敵対する武官・屠岸賈(ワン・シュエチー)の謀略により、皆殺しにされてしまった趙氏一族。そんな中、一族の子として生まれたばかりの男児が、出産に立ち会った医師・程嬰(グォ・ヨウ)に預けられる。男児を守ろうとすることで自分の子や妻を殺されてしまった程嬰は、ひそかに屠岸賈への復讐(ふくしゅう)を誓う。
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