東京藝術大学大学美術館で「藝大コレクション展―春の名品選」を観てきました。実はここでは載せていませんが、今回の目玉は「絵因果経」(国宝)という紙本着色の天平時代作品です。
「過去現在因果経」は、釈迦の過去世の善行と現世での事跡(仏伝)を記し、過去世の菩薩行は決して摩滅することなく果となって、現在に及ぶことを説いた仏伝経典のひとつであり、5世紀に漢訳された。下段にこの経文を書写し、上段には物語に対応する絵を加えて全8巻に仕立てたものを「絵因果経」と呼ぶ。この形式は中国で生まれ、日本では天平時代後期に写経所で盛んに書写された。藝大本は、この経の最後、迦葉三兄弟をはじめ、婆羅門を弟子としていく部分に当たる。・・・黄麻紙に塗られた朱や丹、緑青、群青など、良質で彩度の高い顔料の鮮やかさが、明治23年に本巻に接したフェノロサ、岡倉天心らを感嘆させている。開校にあたって購入された、本学最初期のコレクションである。
以上は、平成21年7月に発行された「コレクションの誕生、成長、変容―藝大美術館蔵品選―」の図録の作品解説から引用したものです。東京藝術大学大学美術館は、文部省のユニヴァーシティ・ミュージアム構想の一環として、藝述・美術資料に特化した大学博物館として1999年10月4日に開館しました。教育研究機関としての大学美術館という立場から、派手な展覧会は行わず、春には地味ながら学術的な企画展を開催し、秋には実験的な企画を行ってきました。今回は春ということで、「春の名品選」が開催されたというわけです。今回は多くを語る必要はほとんどありません。下に挙げた主要な作品を観てください。
東京藝術大学の前身である東京美術学校は、明治22年の開校に先立ってコレクションの収集を開始しました。以来120年余りにわたって収集されてきた作品は、28,500件以上にのぼります。本展覧会ではその中から、日本画・西洋画・彫刻・工芸の主要作品を公開いたします。また特集展示として、二つの観点からコレクションをご紹介します。
展覧会の構成は、以下の通りです。
日本画
西洋画
彫刻
工芸
特別展示1 都市を描く―移りゆく東京と画家
特別展示2 修復記念小磯良平「彼の休息」
日本画
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西洋画
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彫刻
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工芸
特別展示1 都市を描く―移りゆく東京と画家
文明開化以来、東京はその姿を大きく変えてゆきます。都市は人力車、鉄橋、煙突、電線、電車など新たなものであふれ、人々は洋服を着て街に繰り出します。画家たちはそうした新しい都市の姿にしばしば絵画のモチーフを求めました。この特集では、明治から昭和にかけて姿を変えてゆく都市とそこに生活する人々を、同時代の画家たちの目を通して追います。Clik here to view.

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特別展示2 修復記念小磯良平「彼の休息」
「藝大コレクション展―春の名品選」
東京藝術大学の前身である東京美術学校は、明治22年の開校に先立ってコレクションの収集を開始しました。以来120年余りにわたって収集されてきた作品は、28,500件以上にのぼります。本展覧会ではその中から、日本画・西洋画・彫刻・工芸の主要作品を公開いたします。また特集展示として、二つの観点からコレクションをご紹介します。
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