東京国立博物館で「飛騨の円空―千光寺とその周辺の足跡―」を観てきました。円空は30代半ばから約30年にわたり、北海道から近畿を修行で巡り、人々に仏像を彫り与えたという。「飛騨の円空展」では、岐阜県高山市の千光寺の61体を中心に、高山市内所蔵の仏像が約100体が並びました。会場は、ところ狭しと円空仏が立ち並び、残念ながら狭い感じがしました。
ともに開催されたのは東京国立博物館でしたが、一つは「対決巨匠たちの日本美術」展のときの円空と木喰、もう一つは「仏像特別展」、これも円空と木喰だったと記憶しています。いずれにせよその2つの展覧会が、僕の円空や木喰との出会いだったと思います。その後、埼玉県立歴史と民族の博物館で開催された「円空展」、これはいま思うと画期的な展覧会でした。正式には、「特別展 円空こころを刻む―埼玉の諸像を中心に―」とあります。円空は埼玉県に何度も足を運び、100体を超す像を残しているといわれています。岐阜や愛知に次いで確認数が多いという。図録によると、その時展示された円空仏は68体にも及んでいます。
美術史家の辻惟雄先生は、朝日新聞紙上で次のようなコメントをしています。
円空の仏は展俵や鎌倉の仏像に比べ、素人っぽく「洗練された」形ではないが、芸術的な開館を人に与える。白隠も、既成の絵画の枠を破った個性的な表現。そういう観点から2人は注目されてきたと思います。欲など、こだわりを捨てることで強くなるという仏教の教化法を、作品を通じて実証してみせたのがすごい。アーチストが絵の修行に打ち込むだけでは、こんな風にはできないかも。
「飛騨の円空」みどころ
・千光寺の円空仏を一挙公開
円空仏の寺として知られる飛騨・千光寺。本展では千光寺のほぼすべての円空仏61体を一挙に公開します。飛騨の伝説の鬼神を表す「両面宿儺座像」が江戸時代以来約300年ぶりに寺外で公開されるほか、白洲正子が著書「十一面観音巡礼」で美しいと記した「三十三観音立像」など、数ある円空仏のなかでも屈指の名作が揃います。・秘仏「歓喜天立像」を特別開帳
千光寺でも7年に一度しか公開されない、秘仏「歓喜天立像」が公開されます。
・飛騨の円空仏100体が一堂に
現在知られてる約5000体の円空仏のうち、1500体以上が岐阜県にありますが、飛騨高山には、とりわけ多彩な円空仏が残されています。「千手観音菩薩立像」(清峰寺)、「柿本人麻呂座像」(東山神明神社)など、高山市内の14の寺社が所蔵する100体を東京で始めて一堂に紹介します。
・飛騨高山の森、上野に出現
円空は、木を割り、鑿で彫って像を作りました。その表面には漆や色を塗っていません。木目や節が見え、円空仏が「木」であることを強く印象付けています。展覧会の会場には、ほとけの形をした木が100本林立することになります。これらの木はすべて高山の木に違いありませんから、飛騨高山の森が上野に出現することになるのです。
円空(1632-95)とは
江戸前期の遊行造仏僧。美濃(岐阜県)出身の天台僧。尾張(愛知県)・高田寺で金剛・胎蔵両部の密法を受けたのち諸国巡歴の遊行に出る。その足跡は美濃・飛騨を中心に、関東、東北さらには北海道にまで及ぶ。素材を生かし樹木そのものに宿る霊力を残しながら、鑿や鉈による荒々しい削りあとを露わにした独自の「円空仏」を刻む。生涯で十万体の仏像を作るという大願を立てたといい、今なお全国に数千体の作例が伝わる。(「対決巨匠たちの日本美術」より)
「飛騨の円空」主な作品
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「飛騨の円空―千光寺とその周辺の足跡―」
各地の霊山を巡り、生涯で12万体の仏像を彫ったという円空(1632-95)。円空は訪れた土地の山林の木を素材にして、あまり手数を掛けずに仏像を造りました。表面には何も塗らず、木を割った時の切断面、節(ふし)や鑿跡(のみあと)がそのまま見える像が多くあります。木の生命力を感じさせ、素朴で優しい円空の仏は江戸時代以来村人に親しまれ、今も多くの人の心をひきつけます。この展覧会では、「両面宿儺坐像(りょうめんすくなざぞう)」など、岐阜・千光寺(せんこうじ)所蔵の円空仏61体を中心に岐阜県高山市所在の100体を展示します。穂高岳、乗鞍岳など円空が登った山の名前を書いた像もあります。 林立する飛騨の円空仏。展示室に飛騨の森の空気が満ちることでしょう。
「東京国立博物館」ホームページ
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