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松岡美術館で「カラフル・チャイナ 中国陶磁の色彩豊かな装飾美」を観た!

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松岡美術館で「カラフル・チャイナ 中国陶磁の色彩豊かな装飾美」を観てきました。観に行ったのは11月20日のことです。松岡美術館を観た後、麻布十番の「酉の市」へ行った日でした。


まずはチラシの裏に、次のような問いかけが・・・。

人生を、「四季」にたとえるとしたら、あなたは今、どこにいるのだろうか。春・夏・秋・冬・・・どの季節にも、その季節ならではの美しい色彩があります。人生もまたしかり。私たち日本人はこの地ならではの特性を享受することによって、豊かな感性を誰もが、自然と身につけているといえるでしょう。


松岡美術館の創設者・松岡清次郎の人生は95年でした。「生涯現役」を貫いた松岡は、80歳で美術館を創立し、94歳まで海外のオークションに自ら出向き数々の作品を蒐集しました。美術品の蒐集を始めてから70年余り。バラエティに富んだコレクションは彼の人生と同じように、まさにカラフル。彼は、その美術品を自らの眼で選びました。


松岡美術館には観に来るたびに、その作品の幅の広さと、数の多さに驚かされます。そして勉強させられます。「古代オリエント美術」「ガンダーラ・インド彫刻」そしてブールデル、ヘンリー・ムア、エミリオ・グレコなど「ヨーロッパ近現代彫刻」が1階に常設で展示してあります。そして今回2階、展示室④は「カラフル・チャイナ」として、色彩豊かな中国陶磁が展示してあります。「出品目録」によれば、48点もの陶磁器が展示されています。松岡での陶磁器展は、もう何度も観ているのですが、陶磁器作品の批評めいた話を期待されても、僕には到底無理な話です。毎回陶磁器について悩まされるのは、その「言葉の意味」です。とりあえず以下に、いただいた資料から、抜き書きしておきます。


・唐三彩(とうさんさい)

20世紀初頭、唐時代の墳墓から始めて世に出た唐三彩は、王侯貴族の副葬品でした。唐三彩の技法は、数百年の時を経て、明時代の法花や、清時代の素三彩へと受け継がれていきます。

・磁州窯(じしゅうよう)

磁州窯のやきものは、灰色の素地に水溶きした白土で白化粧し、透明釉を掛けて焼くのが特徴です。12世紀北宋時代より、鉄絵具を含ませた絵筆で、花鳥や人物、吉祥文様などがのびのびと表されるようになります。

・青花と釉裏紅(せいかとゆうりこう)

磁州窯で始まった毛筆による絵付け。モノクロームだった陶工のパレットに次に加わるのは、青花の青と釉裏紅の赤の2色でした。14世紀、モンゴル民族の王朝である元時代に青花の技術は完成し、景徳鎮窯で生産されました。透明なガラス質の釉の下に模様が浮かび上がる、釉下彩と呼ばれる技法です。釉裏紅の赤は、銅による発色です。青花と同様に、描かれた文様は透明釉の下にあります。

・五彩(ごさい)

五彩は、日本では赤絵・色絵と呼ばれる、豆彩に続いて完成した上絵法です。五彩は、あらかじめ青花の部分を絵付けして高温で焼成します。輪郭線は赤や黒などを用い、赤・黄・緑など上絵具で華やかに彩ります。上絵具の大家温度により、二度焼、三度焼をする、手間のかかる技法です。

・雑彩(ざつさい)

明時代の嘉靖年間に、雑彩という新しい色絵が誕生しました。器面には、青花や五彩のような白地がみえません。主に二色で塗りつぶす、濃厚でカラフルなやきものです。色の組み合わせは、黄と赤、黄と緑、赤と緑などがあります。

・法花(ほうか)

明時代に登場した法花は、チューブから絞り出した、細く白い堆線で文様を描き、地を深い紺色で塗りつぶした異色のやきものです。使われる色釉は流れ易い鉛釉ですが、輪郭線の土手の役割を果たし、隣り合う色が交じり合うのを防いでいます。

・素三彩(そさんさい)

清時代の、磁器に施した三彩を素三彩と称します。素焼きした素地に直接色秞をのせる、明時代の雑彩の黄地緑彩に通じる技法です。

・豆彩(とうさい)

明時代成化年間に完成した豆彩は、先ず秞下に淡い色合いの青花で、輪郭線のみを描いて高温焼成し、その上に豆青色と呼ばれる淡く明るい緑色を主として、やはり明るい黄・紫・赤などで青い輪郭線の内側を丹念に塗って、低温で焼き付ける上絵の技法です。

・康煕の五彩(こうきのごさい)

美しい緑の秞調をみせる清時代康煕年間の五彩は、ヨーロッパでファミーユ・ヴェルト「緑手」と呼ばれて珍重されました。

・琺瑯彩(ほうろうさい)

康煕年間の末に、粉彩という全く新しい上絵の技術が開発されました。イタリア人宣教師が、西洋からもたらした無線七宝(琺瑯)の絵具と技術を応用したもので、従来の五彩では表現できなかったグラデーションを可能にしました。

・粉彩(ふんさい)

雍正、乾隆年間の粉彩では、まさに絵画と見紛うような華やかな花々や、瑞々しい果実が、まるで白磁を絵絹に見立てるように描かれています。

・胭脂紅(えんじこう)

金を使って鮮やかなピンク色を発色させる胭脂紅も、粉彩の一種です。


明時代、一気にカラフルになった中国の陶磁器

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カラフル・チャイナ 中国陶磁の色彩豊かな装飾美













「カラフル・チャイナ 中国陶磁の色彩豊かな装飾美」

中国の長い歴史の中で、各地に築かれた窯で次々と新しい釉薬や画期的な装飾技法が開発され、より美しいものを欲する皇帝の権力や、より魅力的なものを追求する陶工たちの創意工夫により、最先端の陶磁器が産み出されてきました。白い肌の美しい、薄くて堅牢な中国陶磁器は世界中のひとびとに愛され、やがて中国の国名チャイナChinaは陶磁器を表わすチャイナchinaになりました。本展は、松岡コレクションのなかから明清時代の色絵磁器を中心として、中国陶磁に施されたカラフルな装飾技法の魅力を紹介するものです。


「松岡美術館」ホームページ


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