「小村雪岱展」があると聞いて、さっそく出かけてきました。ところが雪岱展でも、アタマに「大正・昭和のグラフィックデザイン」と付いていました。小村雪岱については埼玉県立近代美術館で開催された「小村雪岱とその時代 粋でモダンで繊細で」展を観ていました。それまで小村雪岱のことは、まったく知りませんでしたし、そもそも「雪岱」なんて僕にはとても読めません。その時ブログに、以下のように書きました。
「小村雪岱とその時代 粋でモダンで繊細で」展、なんと美術館の予想を超える入場者数で、展覧会の図録も予定数は完売だとか、急遽、増刷に入ったようです。「小村雪岱とその時代 粋でモダンで繊細で」展は、小村雪岱(せったい)(1887~1940)は、装丁や小説の挿絵、商業デザイン、舞台美術などで活躍した画家です。雪岱は、東京美術学校で下村観山に学び、卒業後は古画の模写などの仕事をしました。しかし、作風への影響力は、雪岱という画号を授けてくれた小説家、泉鏡花との出会いが決定的でした。
少年時代から鏡花の幻想的な文学世界に魅(ひ)かれていた雪岱は20歳の時、鏡花と出会い、1914年に鏡花の小説「日本橋」の装丁を手がけました。これをきっかけに鏡花に認められ、以後、鏡花文学の装丁や口絵のほとんどを担当しました。鈴木春信の浮世絵に範をとった清楚な女性像が人気を博し、「昭和の春信」と称賛されました。晩年は、名優六代目尾上菊五郎らの信頼を得て、歌舞伎などの舞台美術も数多く手がけました。
このブログを始める前のことですが、うらわ美術館で2002年に「山本容子の美術遊園地」という展覧会に、和紙で作った自動車がメインでしたが、装幀デザインも相当数出ていたように記憶しています。他にブックデザイン、装幀等にに関して思い出すと、以下のようなものがありました。
渋谷区立松濤美術館で「藤田嗣治と愛読都市パリ」を観た!
渋谷区立松濤美術館で「大正イマジュリィの世界」展を観た!
武蔵野市立吉祥寺美術館で「原研哉デザイン展 本」を観た!
展覧会の構成は、以下の通りです。
第1章 泉鏡花との出会い―花開く才能
第2章 舞台とのかかわり―戯曲本と舞台装置原画
第3章 挿絵―共鳴する画文
特集―装幀の妙
資料/その他
第1章 泉鏡花との出会い―花開く才能
第2章 舞台とのかかわり―戯曲本と舞台装置原画
第3章 挿絵―共鳴する画文
「大正・昭和のグラフィックデザイン 小村雪岱展」
小村雪岱(1887-1940)は、大正時代から昭和の戦前にかけて装幀、挿絵、舞台美術や商業広告などの幅広い分野で活躍しました。1914(大正3)年に出版された泉鏡花の「日本橋」で装幀家としてデビュー。以降、多くの装幀を手がけ、その才能を開花させました。その後、舞台美術や新聞・雑誌の連載小説の挿絵の仕事にもたずさわり、人気を博します。本展では、雪岱のデザイン力が遺憾なく発揮された装幀本を中心に、挿絵下図や舞台装置の原画など約200件をご紹介します。各界の著名人たちとの交流の中で生み出された雪岱の作品は、江戸情緒とモダンが共存する印象的なものばかりです。今も清新な輝きを放つ、その魅力をお楽しみください。
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