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泉屋博古館分館で「近代日本洋画の魅惑の女性像―モネ・印象は旗挙げの前後―」を観てきました。泉屋博古館分館は、平成14年に六本木1丁目の泉ガーデンに開館しました。住友家の旧蔵品を蒐集、展示する公益財団法人泉屋博古館(京都市左京区)は、昭和35年の活動開始以来、京都で実績を積みあげてきましたが、関西以外でも所蔵品を鑑賞してもらおうと、東京に開館しました。
「泉屋博古館」の名称は、江戸時代の住友の屋号「泉屋」と、約900年前の中国宋代の徽宗皇帝の命により編纂された古代青銅器図録「博古図録」からとっていますが、泉屋博古館の最も重要なコレクションが中国古代の青銅器から成り立っていることからもたらされたものです。
泉屋博古館は近・現代絵画のコレクションは群を抜いていると言われています。なかでも近代女性像の蒐集については定評があります。もちろん、その蒐集品の全貌は僕らには知る術もありませんが、今回出された画家の名前を見れば分かる通り、まさに近・現代絵画の先達であることは間違いありません。
浅井忠の珠玉の水彩画、坂本繁二郎の「二馬壁画」、岸田劉生の「二人麗子図(童女飾髪図)」、クロード・モネの「サン=シメオン農場の道」「モンソー公園」、等々、これらは泉屋博古館分館の近・現代絵画の代表的な所蔵作品であるとともに、今回の展覧会、「近代日本洋画の魅惑の女性像―モネ・印象は旗挙げの前後―」に出されている作品群です。
特に、クロード・モネの「サン=シメオン農場の道」と「モンソー公園」については、わが国への印象派導入の最も早い例だったことは、特筆に値します。チラシには「画家の資質の違いを比較鑑賞していただきます」、とありますが、これはけっこうきつい言い方に思えました。「作品リスト」をみると、出品数は55点、画家の数は29人にもなります。たくさんの画家と作品を十把一絡げに述べるわけにはいきませんが、全体的にみて、描かれている女性たちは時代を背負っていることからくるアンニュイな感じが漂っているように見えます。ということで、果たして評になっているかどうか?
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泉屋博古館分館開館10周年 PARTⅢ
「近代日本洋画の魅惑の女性像」
―モネ・印象は旗挙げの前後―
分館開館10周年の記念展第3弾として、「近代日本洋画の魅惑の女性像―モネ・印象は旗挙げの前後」展を開催します。泉屋博古館コレクションの柱の一つに近代洋画を挙げることができます。この蒐集には、住友家第十五代家長・吉左衛門友純(号・春翠)がかかわることとなりますが、それには、明治30年の米・欧州外遊による各国の美術館、博物館などへの訪問によって、文化財保護、文化事業推進の重要性の認識を心に秘めたことが与っていると思われます。春翠は、その洋行時に今回出品するクロード・モネの「サン=シメオン農場への道」、「モンソー公園」を購入し、日本にもたらしていますが、これは、わが国への印象派導入の最も早い例として貴重なことであり、さらに印象派の旗揚げ展(1874年)に前後する作品で、モネの作風変化が認められ、興味深いものともなっています。さらに本展では、文部省美術展覧会に出品された藤島武二「幸ある朝」、岡田三郎助「五葉蔦」、山下新太郎「読書の後」など、また和田英作「こだま」、梅原龍三郎「姑娘郷々弾琵琶図」、岸田劉生「麗子六歳之像」、「二人麗子図(童女飾髪図)」、小磯良平「踊り子二人」、森芳雄「女性たち」などの女性を描いた作品群を特集展示、画家の資質の違いを比較鑑賞していただきます。また、明治初期洋画壇の巨匠、浅井忠の水彩画、その門下の龍三郎、さらに劉生ら京都画壇に深くかかわった画家の作品も併せて展示します。
「泉屋博古館分館」ホームページ
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