日本橋高島屋で「生誕125年 東と西の出会い バーナード・リーチ展」を観てきました。「日本を愛し、日本に愛された、芸術家の軌跡」とあります。チラシの大皿は、リーチの代表作、「ガレナ釉筒描グリフォン文大皿」(1952年)、アサヒビール大山崎山荘美術館蔵です。下は、バーナード・リーチの作品で、素描の「柳宗悦肖像」と、「鉄砂抜絵組合せ陶板 森のなかの虎」、ともに日本民藝館の所蔵作品です。2009年に開催された「生誕120年 柳宗悦の世界」に展示されたものです。
柳宗悦(明治22年・1889年生まれ)は言うまでもなく、民藝運動の創始者で、日本民藝館の初代館長でした。柳は、朝鮮工芸の仕事、木喰仏の研究を経て、日本の工芸に眼を転じます。日本の民衆が生んだ工芸品の中に優れた美の相を見出し、「民藝」と名付けました。1936年に日本民藝館が開館、当初より民藝運動に参画した個人作家の特別展を開催しています。柳は、本来の民藝品に敬意を抱きつつ、そこから多くを学び取ることの出来る作家を重視しました。
柳の思想に共鳴したバーナード・リーチ、濱田庄司、河井寛次郎、芹沢銈介、棟方志功といった美の本質を追究した作家は、柳の良き理解者であり、協力者でした。彼らは自らの作品製作のみならず、地方の工人との共同作業や指導を行いました。バーナード・リーチは、英国でエッチングを学んでいたが、幼児に過ごした日本へのあこがれを深め来日、柳と出会います。英国伝統の陶技法を用いながら、東洋の伝統も取り入れ、東西文化の融合に努めた作家でした。
日本民藝館には何度か訪れているので、今まで民藝館について書いたブログの中でバーナード・リーチのことに触れているかと思いましたが、意外や意外、ほとんど書かれていないのには驚きました。実感としては、民藝館でもっとバーナードリーチの作品を観ていたと思うのですが・・・。また、「リーチ展」なるものも数少ない、というか、今までほとんどなかったのではないでしょうか。民藝館でもリーチだけの展覧会はなかったように思います。僕が知らなかっただけかもしれませんが・・・。そんなわけで高島屋の「生誕125年 東と西の出会い バーナード・リーチ展」は期待していました。今回のリーチ展、リーチの創作の軌跡を約100点の陶芸作品と20点余りの素描・版画作品で辿っています。
日本民藝館のホームページを見ると、以下のようにあります。
バーナード・リーチ(1887-1979)。イギリス人、香港で生まれる。幼児期は日本で過ごす。帰英後は、ロンドン美術学校などでエッチングを学ぶ。1909年日本への憧れを強くし再来日。上野桜木町に居を構えてエッチングを指導し、入門してきた柳宗悦ら白樺派の人々と親交を結ぶ。1911年六代目尾形乾山に富本憲吉とともに入門、その後千葉県我孫子の柳邸内に窯を築くなど日本国内で作陶を始める。1920年濱田を伴って帰英、コーンウォール州セント・アイヴスに日本風の登窯を築き、1922年にはリーチ工房を設立し生涯の拠点とした。
柳宗悦とはウィリアム・ブレイクや陶磁器への関心を通して、芸術に関する思想的な影響や刺激を与え合う生涯の友として親しく交わった。日本民藝館が所蔵するリーチの陶磁作品は約120点。スリップウェアなどの西洋陶器と東洋陶磁の技術を融合させた独自の作風が特徴的である。来日の折に訪れた小鹿田や二川、布志名など地方の窯場で作られた作品も所蔵している。また、身近な人物や旅先の風景などを題材にしたエッチングや素描作品も約100点ある。リーチ工房は、2008年より記念館兼製作工房として公開されている。
展覧会の構成は、以下の通りです。
第1章 陶芸への歩み
第2章 リーチ芸術の開花
第3章 日本民窯との出会い
第4章 東と西の融合
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「生誕125年 東と西の出会い バーナード・リーチ展」
日本を愛し、日本に愛された、英国の陶芸家バーナード・リーチ(1887-1979)の生誕125年を記念する展覧会を開催します。香港に生まれ、幼児期を日本で過ごしたリーチは、英国の美術学校で学び、22歳のときに再訪を果たします。白樺派の同人らにエッチングを教授するうちに、民藝運動を指導する柳宗悦と知り合い、日常生活の中で芸術をとらえる視点をもちます。楽焼の絵付体験から陶芸に興味をもったリーチは、富本憲吉をさそって六世尾形乾山に入門し、陶芸家の道を志します。日本に10年間滞在したのち、1920年に濱田庄司を伴って英国に帰国し、セント・アイヴスに登り窯を築きました。その後も、リーチはたびたび来日し、益子(栃木県)や出雲(島根県)、小鹿田(大分県)など各地の窯を巡り、職人たちに惜しみなく技やデザインを教え、自らも優れた作品を残しています。リーチが目指した「東洋と西洋の美の融合」は、近代日本の陶芸が進むべきひとつの指標となりました。本展では、国内主要美術館と、親交の深かった個人が所蔵する陶芸作品約100点、素描・版画作品約20点で、リーチ芸術の全容に迫ります。また同時開催の「民藝展」で、日本橋髙島屋で1934年に展示した「リーチ考案による書斎」を再現いたします。
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