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茨城県立近代美術館で「ストラスブール美術館展」を観た!

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茨城県立近代美術館で「ストラスブール美術館展 モダンアートへの招待」を観てきました。「ヨーロッパの交差点、美と食の街から」と副題が付いていました。美術館の設計は吉村順三で、緑に囲まれた落ち着いた美術館です。茨城県立美術館にはもっと行ってるかと思いましたが、調べてみると意外と行ってません。企画展では「キスリング展」と「アンソールからマグリット」だけで、自分でも驚きました。


チラシには、フランス東部・アルザス地方の中心都市ストラスブールは古くより交通の要衝として栄えた街、とあります。ストラスブール美術館と聞いて、Bunkamuraザ・ミュージアムで「ストラスブール美術館所蔵 語りかける風景」展を観たことを、思い出しました。約80点で、窓、人物、都市、水辺、田園、木という6つのテーマで構成された風景画の展覧会でした。

Bunkamuraザ・ミュージアムで「語りかける風景」展を観た!


今回の「ストラスブール美術館展 モダンアートへの招待」は、「ストラスブールの10館の市立美術館・博物館の内、近現代美術館のコレクションを紹介」とあります。今回は図録を買っていないので詳しくは分かりませんが、かなりの作品、特に目玉となる作品が「語りかける風景」の図録を見てみると、重なっていることが分かりました。


今回の目玉としてポスターやチラシにもなっているシニャックの「アンティーブ・夕暮れ」、その他、ドニの「室内の光」、シスレーの「家のある風景」、マルタンの「古い家並み」、ヴァロットンの「水辺で眠る裸婦」、などが重なっていました。「語りかける風景」展は、僕が観たザ・ミュージアムでは、2010年5月から7がつい掛けて開催されました。わずか2年前のことです。目玉が同じもの、というのは、いかがなものか?まあ、目玉が小粒なんですけど・・・。そんなわけで、「語りかける風景」の図録による解説を以下に。


シニャック「アンティーブ・夕暮れ」

地中海の夕暮れ。高緯度では午後8時を過ぎてもまだ明るく、色付いた夕暮れの光が風景を薔薇色に染める。シニャックは南仏に住み、自然と人間が調和する光あふれるこの土地を描き続けた。点描画法ゆえ、制作はアトリエで綿密に行われた。高い建物は12世紀の城砦グリマルディで、のちにピカソがアトリエとして用いた。


ドニ「室内の光」

神性を重んじたナブ派のなかでも、ドニは「美しきイコンのナビ」というあだ名をつけられた画家である。ペロス=ギレクの別荘を舞台とするこの家族の情景で全面に押し出されているのは、家庭的な幸福の発揚である。妻マルトが娘たち、アンヌ=マリー、ベルナデット、マドレーヌに取り囲まれている。娘たちは供え物を持ち感謝の祈りを捧げている。敬虔な信仰心を物語るこれらの仕草は背面のフレスコ画と呼応している。


シスレー「家のある風景」

第1回印象は展に参加したシスレーは、巴里の周辺に広がる親しみのある田園の魅力を余すところなく伝えた画家である。起伏のある土地は、丹頂になりがちな田園風景に、行けや川とは違ったおもしろさを与えてくれる。この作品でも、丘に曲線を描く坂道が動きを海、木立が作る半円の輪郭線と共に視線を家に集めている。


ヴァロットン「水辺で眠る裸婦」

ヴァロットンは数多くの眠る裸婦を描いている。この作品では裸婦は、3人のボートの漕ぎ手が横切る風景の中に挿入され、夢の中のような奇妙な空間が創り出されている。スポーツマンたちの上に立ちこめるぼーっとした雲も、睡眠中に生まれるあいまいなイメージが形をとるところかもしれない。女性、植物、水、ボートというありふれたモチーフを吸いながら、この作品には何とも言えず異様な空気が漂っている。


最近は、美術館もお高くとまっているだけではなく、どこの美術館も、特に子ども向けの資料を丁寧につくっているようです。今回は、A4版表裏で、「ストラスブールってどんなまち?」と「風景画の色とタッチ(筆の跡)をくらべてみよう」は、よく考えられていました。またストラスブールの紹介を兼ねて、ということでは、2007年のスペイン・フランス合作の映画「シルビアのいる街で」を地下の講堂で上映していました。

ホセ・ルイス・ゲリン監督・脚本の「シルビアのいる街で」を観た!


「ストラスブール美術館展 モダンアートへの招待」は、福井県立美術館から茨城県立近代美術館へ、その後、横須賀美術館へ、そして静岡市美術館へと巡回するようです。


出展作品






「ストラスブールってどんなまち?」

「風景画の色とタッチをくらべてみよう」

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「シルビアのいる街で」
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「ストラスブール美術館展 モダンアートへの招待」

フランス東部・アルザス地方の中心都市ストラスブールは古くより交通の要衝として栄えた街です。アルザス地方は歴史的にドイツとフランスの争奪戦の舞台となりましたが、現在のストラスブールはブリュッセルと共にEU議会が置かれる 「欧州の首都」としてヨーロッパの融和を象徴すると同時に、美しい旧市街やクリスマス・マーケットで人気の観光都市でもあります。本展は、ドイツとフランスの文化が交錯・融合する国際文化都市ストラスブールの10館の市立美術館・博物館の内、近現代美術館のコレクションを紹介します。アルフレッド・シスレー、ポール・ゴーギャン、ポール・シニャック、パブロ・ピカソなど美術史を華麗に彩る巨匠たちとともに、 ロタール・フォン・ゼーバッハ、ジャン(ハンス)・アルプといったアルザス地方ゆかりの画家の作品により、印象派から20世紀を経て現代に至る西洋近現代絵画の多彩な展開をご覧いただきます。


「茨城県立近代美術館」ホームページ


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