そごう美術館で「京都 細見美術館展 Part Ⅱ 琳派・若冲と雅の世界」を観てきました。観に行ったのは5月27日、だいぶ時間が経ってしまいました。Part Ⅰの「都の遊び・王朝の美」を観た時に、Part Ⅱも観たいと思い、前売り券を買っておきました。細見美術館については、2009年6月に日本橋高島屋で開催された「細見美術館開館10周年記念展 日本の美と出会う―琳派・若冲・数寄の心―」で初めて知りました。
その時に、京都へ行ったら、是非とも訪れたい美術館の一つです、と書いてからずいぶん経ちますが、未だに京都へ行くことは叶いません。今回の展覧会は「琳派・若冲・数寄の心」から「琳派・若冲と雅の世界」とタイトルが変わっています。いずれにせよ細見美術館は、琳派や若冲の作品等を始め、日本美術の優品をたくさん所蔵しているのには、毎回驚かされます。京都まで行かなくても、細見美術館の主要な作品を観られるというこの幸せ。今回は図録を買っていないので、思い出すままに、以下に載せておきます。
展覧会の構成は、以下の通りです。
祈りの美
王朝の雅と源氏絵
華麗なる琳派
若冲の魅惑
かざりの意匠
今回の展覧会の目玉はもちろん若冲の「雪中雄鶏図」や「鶏図押絵貼屏風」です。若冲は、自宅の庭で鶏を飼い、日々の観察の成果を何十という鶏図に表したことはよく知られています。が、他に「瓢箪・牡丹図」や「仔犬に簾図」、「風竹図」が出されていました。酒井抱一の「槇に秋草図屏風」は、槇の木のもと、聞く、女郎花、萩、藤袴、刈萱といった秋草が、金地に咲き乱れる風呂先屏風で、光琳の写しだという。
鈴木基一「水辺家鴨図屏風」、家鴨が九羽、金地に様々な恰好で描かれています。「朴に尾長鳥図」は墨や緑青の滲みを意図的に用いた「たらし込み」による葉の表現は、まさしく琳派の系譜に連なる作品です。「藤花図」は、光悦の孫、本阿弥光甫の「藤図」に構想を借りたもの、真っ直ぐに下がる三本の房に、細い鶴がS時を描いて絡んでいます。基一の弟子、守一の「業平東下り図」、「伊勢物語」第九段「東下り」の富士山の場面、よく取り上げられる題材で、基一にも同様の作品があり、守一はそれを手本としたという。。「楓桜紅葉図」は、右幅は石灯籠に照らされた楓を、左服は時雨に打たれる紅葉した桜の葉を描いています。
変わったところでは、「祈りの美」として「六観音像のうち『如意輪観音』」は鎌倉時代の作品だというのに、色が鮮やか、見事な作品で目を惹きました。元々6点組みだったようですが、「馬頭観音」が無くなっていて、他に「聖観音」、「千手観音」、「准胝観音」が出ていました。また酒井抱一の「青面金剛図」は、青面金剛を中心に、足元には二鬼、ほかに二童子と四夜叉が、リズミカルに描かれています。茶の湯の釜としてはたしか二つ出されていましたが、ここでは「芦屋亀甲繋文真形釜」を載せておきます。亀甲繋文は、正六角形を連続して組み合わせる抽象的な幾何学紋様で、長寿を象徴する柄だという。
祈りの美
王朝の雅と源氏絵
華麗なる琳派
若冲の魅惑
かざりの意匠
京都 細見美術館展 Part Ⅱ
琳派・若冲と雅の世界
細見美術館は、大阪の実業家であった故 細見良(初代古香庵)にはじまる細見家3代のコレクションをもとに、1998年3月京都の岡崎に開館しました。その収蔵品は、縄文・弥生時代の土器に始まり、仏教・神道美術、絵巻物や水墨画、茶の湯釜などの工芸品、近世の風俗画、琳派や伊藤若冲を中心とする江戸絵画など、日本美術のほぼ全ての分野、時代を網羅し、国内外で高い評価を得ています。 本年そごう美術館では、「京都 細見美術館展」を2期に分けて開催し、同コレクションから厳選した作品の数々をご紹介いたします。 PartⅡの本展覧会では、近年人気を集める琳派と伊藤若冲の作品を中心に、コレクションの根幹をなす仏教美術、平安王朝の雅な世界を伝える物語絵、桃山から江戸期の意匠美を示す工芸品や能装束など約70点を展覧します。 細見コレクションならではの幅広い分野、時代の作品によって、日本美術の豊かな流れをご堪能ください。
「日本の美びと出会う―淋派・若冲・数寄の心―」
図録
編集:細見美術館
制作・発行:毎日放送
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