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サントリー美術館で「毛利家の至宝 大名文化の精粋」を観た!

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とんとん・にっき-mouri


サントリー美術館で「毛利家の至宝 大名文化の精粋」を観てきました。今回の展覧会は、山口県防府市にある公益財団法人 毛利報公会(毛利博物館)のものがほとんどです。毛利博物館は毛利家ゆかりの宝物を受け継いだ博物館で、国宝4件、重要文化財9件を含む約2万点を所蔵しているという。副題は「大名文化の精粋」、毛利家に伝わる肖像画、甲冑武具、調度類、華麗な能装束、茶道具等々、ほとんどは僕には興味がないものばかりでした。


が、しかし、国宝・雪舟筆「山水長巻」特別公開とあります。これは是非とも観ておきたい。「室町時代の水墨画の巨匠・雪舟等楊が描いた国宝「四季山水図(山水長巻)」の全長を一挙公開し」とあります。毛利家の中で永く大切にされてきたこの画巻、東京では10年ぶりの特別公開です。これをこの機会に見逃したら、観られるのは何年も先になります。と思って、サントリー美術館へ行ってきました。


今年のお正月は、東京国立博物館の「博物館に初もうで」に行ってきました。その時の目玉は、国宝室に展示された雪舟等楊の国宝「秋冬山水図」でした。解説には「構築的な空間構成,強調された輪郭線,また細い線による簡略化された皴法に雪舟様式の特徴が見出せる」とありました。今回展示されている「四季山水図(山水長巻)」、全長を一挙公開、とあります。なんと全長16mに及ぶ、長大な画巻です。


山口県防府市の毛利博物館にはこの長大な画巻を全部広げて展示するケースがあり、1年に一度、11月から12月の1ヶ月ほど、公開されてきたという。2002年4月から5月にかけて、東京国立博物館で「没後500年特別展 雪舟」が開催されました。炎天下の中、長蛇の列に並んで観にいった記憶が思い出されます。展覧会であんなに並んだのは、初めてのことでした。分厚い「図録」が出てきました。その頃の僕は、水墨画のことはまったく分かりませんでした。言わば「猫に小判」状態で、観に行ってきたというわけです。


図録によれば、「四季山水図(山水長巻)」は、「雪舟展」の後、時間をかけて修理にされる、と書かれていました。「500年以上もの間、大切に伝えられてきたが、この辺で少しリハビリしなくてはいけないだろう」と書かれていました。ということは、修理後初めて東京で観られる展覧会、ということになります。やはり観てよかった、と思ったのは、図版ではなかなか味わうことのできない美しい色が観られたこと、始めに気がついたのは水の色、水墨画と言えばモノトーン、墨の濃淡で表現するものと思っていましたが、なんと水面の藍色、紅葉の朱色、人物にも朱色が、観てとれました。


67歳の落款があり、明から帰った後、約20年経って描いたものだという。この絵の発想のもとは、作品自体は失われてしまったが、足利幕府秘蔵の夏珪の「山水図巻」だという。「四季山水図(山水長巻)」は基本的には門外不出の作品です。会場は思っていたほど混んでなくて、ゆっくり観られたのは幸運でした。


展覧会の構成は、以下の通りです。
1.戦国武将の雄 毛利元就から輝元まで
2.「山水長巻」の世界 雪舟と水墨画
3.受け継がれた美意識 毛利家の典籍と絵画
4.暮らしにみる大名文化 婚礼調度と雛飾り
5.能楽と茶の湯の世界 毛利家ゆかりの道具類
6.毛利家と江戸麻布屋敷 近世から現代へ



1.戦国武将の雄 毛利元就から輝元まで

戦国武将の雄として名を馳せた毛利元就や毛利輝元などの甲冑武具や肖像画、毛利家文書が展示されています。


2.「山水長巻」の世界 雪舟と水墨画

日本絵画史上の最高傑作、室町時代の水墨画、雪舟等楊の国宝「四季山水図」(山水長巻)が展示されています。



3.受け継がれた美意識 毛利家の典籍と絵画

平安時代の国宝、「古今和歌集」「史記呂后本紀第九」など、毛利家の典籍や絵画が展示されています。


4.暮らしにみる大名文化 婚礼調度と雛飾り

毛利家の年中行事、雛飾りなどの飾りつけ、歴代の姫君の婚礼調度類や、衣服、身の廻りの化粧道具や文房具などが展示されています。


5.能楽と茶の湯の世界 毛利家ゆかりの道具類

毛利家に伝わった能装束、室町、桃山、江戸と代々受け継がれてきた茶の湯の道具類が展示されています。


6.毛利家と江戸麻布屋敷 近世から現代へ

東京ミッドタウンは、江戸時代に長州藩毛利家の下屋敷があった土地。江戸後半から明治期に至る毛利家の歴史を辿る史料が展示されています。


「毛利家の至宝 大名文化の精粋」

東京・港区にある「東京ミッドタウン」建設地は、旧防衛庁跡地として知られますが、遡れば江戸時代当時、長州藩毛利家の下屋敷があった由緒ある土地でした。今回の展覧会は、山口県防府市にある公益財団法人 毛利報公会(毛利博物館)の特別協力を仰ぎ、毛利家ゆかりの宝物の中から、毛利家の基本史料である文書類や、肖像画、甲冑武具、調度類、華麗な能装束、茶道具を中心に、かつて毛利家に伝来した貴重な作品も併せて、絵画・工芸の名品を一堂に展示します。とくに会期中は、室町時代の水墨画の巨匠・雪舟等楊が描いた国宝「四季山水図(山水長巻)」の全長を一挙公開し、存分にご鑑賞いただける貴重な機会となります。毛利元就(1497-1571)や毛利輝元(1553-1625)に代表される毛利家の歴史を辿りつつ、そのゆかりの美術作品を通して、江戸時代の大名がはぐくんだ文化の精粋をご堪能いただければ幸いです。

「サントリー美術館」

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