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Bunkamuraザ・ミュージアムで「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」を観た!

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Bunkamuraザ・ミュージアムで「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」を観てきました。レオナルド・ダ・ヴィンチの作品は、パリのルーブル美術館で「モナ・リザ」を、ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会(食堂)で「最後の晩餐」を、フィレンツェのウフィッツィ美術館で「受胎告知」を観ました。ウフィッツィの第15室はレオナルド・ダ・ヴィンチの部屋となっていて、「受胎告知」の他に「東方三博士の礼拝(マギの礼拝)」と、ヴェロッキオ作となっている若い頃の作品「キリストの洗礼」、3点が展示してあります。


レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)は、イタリアのヴィンチ村に生まれ、フィレンツェで修業時代を過ごし、ミラノで絶頂期を迎えました。その後、各地を転々とし、最後はフランス国王フランソワ1世に招かれ、アンボワーズ郊外で67年の生涯を閉じました。膨大な手稿を残す一方、現存する絵画はわずか10数点と限られています。


今回の「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」は、「万能の天才」の美の系譜に焦点を当てて、ダ・ヴィンチの作品、弟子との共作、弟子やレオナルド派の画家たちによって描かれた作品、レオナルドの言葉を記した「絵画論」やルネサンス期の書籍など、約80点が展示され、約9割が日本初公開です。


実は僕は観に行く予定がなかったのですが、観にいってみると、なかなか面白い展覧会でした。もちろん、大きな目玉作品はレオナルド自筆の「ほつれ髪の女」以外にはないのですが、そうはいってもこれだけ数が揃うと見応えがあります。やはり展覧会の構成がよかったのではないでしょうか。


第3章「モナ・リザ」イメージの広がり、としてこれでもかというほど「モナ・リザ」の追従者の作品を出してきました。カミーユ・コローにも「真珠の女」という「モナ・リザ」を意識した作品があるのは、よく知られています。今、開催している「大エルミタージュ美術館展」でもレオナルド・ダ・ヴィンチ派の「裸婦」が出ていました。


第4章は「裸のモナ・リザ」と「レダと白鳥」です。「大エルミタージュ美術館展」の「裸婦」は、こちらに入るのでしょうか。こんなにも裸のモナ・リザが数多くあったんですね、驚きました。「レダと白鳥」は、華麗な白鳥に変身したゼウスと結ばれ、双子カストルとポリュックスとして孵化する卵を産んだ美女レダの物語。ギリシャ神話の中でも最も誘惑的で、官能的なテーマです。


第5章は神格化されるレオナルド、です。「レオナルドの肖像」が2点出ていました。ここではジュゼッペ・ベナーリャの銅版画を載せておきます。トリノ王立図書館にある「自画像」によく似ています。レオナルド・ダ・ヴィンチの巨大な「銅像?」は、ミラノのスカラ座の前の広場に立っています。何度か写真を撮ったのですが、今、その写真が見当たりません。僕自身、レオナルド・ダ・ヴィンチの本は、持っているのは建築の本ばかりです。やはり僕の中では「万能の天才」のイメージが強いという感じです。


展覧会の構成は、以下の通りです。

第1章 レオナルド・ダ・ヴィンチとレオナルド派

第2章 レオナルドの時代の女性像

第3章 「モナ・リザ」イメージの広がり

第4章 「裸のモナ・リザ」、「レダと白鳥」

第5章 神格化されるレオナルド


僕は興味の赴くままに、レオナルド・ダ・ヴィンチの本もけっこうたくさん持っていることもありますけど。とはいえ建築関連の書籍が多いのですが。僕の中ではかなりの部分、レオナルド・ダ・ヴィンチは建築家だと思っています。そうそう、レオナルドの本ではちょっと古いですが、学芸図書発行の「建築家レオナルド」ⅠⅡ(1990年11月21日発行)、カルロ・ペドレッティ著、日高健一郎/川辺泰宏・訳が、図版も豊富でよく書かれています。もう一つ、中公新書の長尾重武著「建築家レオナルド・ダ・ヴィンチ ルネサンス期の理想都市像」(1994年8月25日発行)が、よく書かれていて僕は気に入っています。


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第1章 レオナルド・ダ・ヴィンチとレオナルド派




第2章 レオナルドの時代の女性像



第3章 「モナ・リザ」イメージの広がり



第4章 「裸のモナ・リザ」、「レダと白鳥」


第5章 神格化されるレオナルド


「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」

本展は、《モナ・リザ》や《最後の晩餐》など世界的な名画を残した巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチの“美の系譜”に焦点を当て、ダ・ヴィンチの作品、弟子との共作、弟子やレオナルド派と呼ばれる画家たちによって描かれた約80点もの作品、 資料を通じて、ダ・ヴィンチの創造した「美の理想」の真髄に迫るものです。十数点しか現存しないといわれているダ・ヴィンチの作品のうち、日本初公開となる円熟期の傑作《ほつれ髪の女》や、若き日の習作《衣紋の習作》、プライベート・コレクションのため、あまり目にする機会のないもう一つの《岩窟の聖母》が一堂に。また、ダ・ヴィンチから強く影響を受けた弟子の作品、後世の画家たちによる様々な《モナ・リザ》など、出品作品の約9割が日本初公開となる本展は、ダ・ヴィンチの魅力を存分に堪能できるかつてない展覧会です。


「Bunkamuraザ・ミュージアム」ホームページ


とんとん・にっき-hotu1 「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の構想」
図録

編集:静岡市美術館

    Bunkamuraザ・ミュージアム

    毎日新聞社事業部

発行:毎日新聞社








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