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出光美術館で「復刻開館記念展」を観た!その1

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「復刻開館記念展」チラシ

 

出光美術館で「復刻開館記念展」を観てきました。

副題には仙厓・古唐津・中国陶磁・オリエント、とあります。

展示概要

出光美術館が帝劇ビルの9階に誕生したのは、昭和41年(1966)のことでした。それ以降、300を超える展覧会を開催し、数多くの方々のご来館をたまわってきましたが、帝劇ビルの建替計画にともない、令和6年(2024)12月をもって、しばらくの間、休館することとなりました。
本年は、皆様をこの展示室へお迎えする最後の一年となります。その幕開けを告げる本展は、58年前の開館記念展の出品作品と展示構成を意識しながら企画されたものです。当館の展示室は、これまでにいくたびかの改装を経ているものの、部屋の配置や基本的なつくりを変えることなく、今日に至っています。ビルのワンフロアであることを忘れさせるような独特の展示空間はそのままに、開館記念展の会場を飾ったのは、仙厓(1750-1837)の書画、古唐津、中国の陶磁や青銅器、オリエントの美術でした。それらは、当館の創設者であり初代館長の出光佐三(1885-1981)が10代のころから蒐集し愛蔵してきたもので、それぞれの作品がたたえる飾り気のない美しさは、いかにも佐三の感性にかなうものといえます。
本展では、開館記念展の内容をもとに作品を選び、当時の展示構成の部分的な再現を試みています。出光コレクションのエッセンスが凝縮された作品の数々を、いまなお開館当初の雰囲気を漂わせる展示環境のなかで、そして、やはり当時のままに皇居外苑をのぞむロビーからの眺めとともに、何卒ご清鑑たまわりたく存じます。

 

本展のみどころ

01昭和41年(1966)秋に開催された開館記念展を復元!

出光美術館が帝劇ビルにオープンし、記念すべき1回目の展覧会「開館記念展―仙厓・古唐津・中国陶磁・その他」に出品された作品や当時の展示構成を踏まえて再構築します。当時の展示室と比べると、いくたびかの改装により多少異なりますが、基本的なつくりは変わりません。当初設けられていた仙厓室(現在の展示室2)をはじめ、当時の陳列の様子を再現します。ぜひ、58年前にタイムスリップしたつもりで、当館の創設者(初代館長)・出光佐三(1885-1981)が愛したコレクションをお楽しみください。

02出光コレクションの原点、
唯一無二の仙厓の書画

佐三が集めた仙厓コレクションは、「指月布袋画賛」に始まり、約1,000件にのぼります。「厓画無法(がいがむほう)」(仙厓の絵には法則がないこと)を宣言した博多・聖福寺(しょうふくじ)の仙厓(1750-1837)の作品はほのぼのとした素朴な味わいが魅力的で、ほかに類を見ない唯一無二の存在と言えます。質・量ともに国内最大級として知られるコレクションのうち、開館当初の展示室を飾った約20件をご覧いただきます。

03様々な古唐津、高く評価された中国陶磁とオリエントの美術

佐三は「美術史的な目で集められたコレクションでなく、たとえば私という一つの眼を通じて集めたコレクション」が並べられた美術館があってもよいのではないか、と語っています。そして、美術館は第一室に中国の美術、第二室に仙厓の遺墨、第三室に古唐津(唐津焼)、ロビーに中近東の美術を展示する構想のもとに始まりました。本展では出光コレクションのうち、仙厓と双璧をなす古唐津に加え、当時より高い評価を受けていた中国陶磁、オリエントの美術を展観します。

各章の解説

第1章 古唐津

飾り気のないその雰囲気が、「野武士のように素朴な朝鮮風のやきもの」とも称された古唐津(唐津焼)。一方で唐津焼は肥前一帯で多くの陶工が作っていたこともあり、いろいろと作風の違いがあります。初代館長の出光佐三は古唐津の魅力にひかれ、その蒐集熱に火が付き、300件を超える充実したコレクションを形成するに至りました。「一楽、二萩、三唐津」と茶陶を代表するだけでなく、「大皿の時代」を牽引した古唐津の数々をご覧ください。

第2章 仙厓

「博多の仙厓さん」の愛称で親しまれている聖福寺の住持・仙厓(1750-1837)の禅画は、ほのぼのとした素朴な味わいがあります。「厓画無法(がいがむほう)」(仙厓の絵には法則がないこと)を宣言した仙厓の作品は自由な筆致で描かれていますが、その中に禅の教えが込められており、「仙厓くらい禅を書画の上に自由に表現し得る人はない」とも称されています。開館当初の仙厓室を飾った作品を通して、禅とは何かの問いに答えてくれる仙厓の書画をお楽しみください。

第3章 中国陶磁

中国陶磁は当館のコレクションのなかでも早くに蒐集が始まりました。佐三は1910年代後半頃に大連で中国陶磁の穏やかな美に癒され、その後、北京や天津の骨董屋で中国陶磁を求めています。日本社会において茶道や華道などの伝統のなかで培われ、愛されてきた中国陶磁(唐物)に加え、近代以降に注目されるようになった唐三彩、鈞窯や景徳鎮官窯の青花など、様々な時代、産地のやきものを通してその魅力をご紹介します。

第4章 オリエント

エジプトやメソポタミア文明の発祥地として知られるオリエントの地域では、ナイル河流域、チグリス・ユーフラテス河流域、さらには地中海の周りに華やかな文化を創出します。豪華な金銀器や色鮮やかなガラス器、装飾性豊かな陶磁器など見事な美術工芸品が見られ、いずれも異国情緒が感じられます。また中近東の地域は、陸・海の道で古くから東アジアと繋がっており、交流がみられます。当館でも開館当初から、オリエントの遺宝に注目してきました。

第5章 青銅器

古代中国の宝物として、また芸術品としても評されてきた青銅器。紀元前1800年頃から中国文明を代表する青銅容器が作られます。その後も、人がなお神とともにあった商(殷)・周時代には生命感に溢れ、精妙な作品の数々が生み出されており、まさに中国古代の人々の精神表現が映し出されているといえます。歴史を実証する物的資料として、さらに中国美術の精華の源流が青銅器にあることから、佐三はこれらを蒐集し鑑賞の対象としたのです。

 

展覧会の構成は、以下の通りです。

第1章 古唐津

第2章 仙厓

第3章 中国陶磁

第4章 オリエント

第5章 青銅器

 

ここでは第1章から第3章までをその1として載せます。

 

第1章 古唐津

 

「奥高麗茶碗 銘さざれ石」
唐津、桃山時代

 

「絵唐津丸十文茶碗」唐津、桃山時代

 

「黒唐津梅花文茶碗」唐津、桃山時代

 

「朝鮮唐津耳付六角花生」
唐津、惣山時代

 

重文「絵唐津柿文三耳壺(水指)」
唐津、桃山時代

 

重文「絵唐津葦文壺(水指)」
唐津、桃山時代

 

第2章 仙厓

 

仙厓「指月布袋画賛」江戸時代後期

 

仙厓「堪忍柳画賛」江戸時代後期

 

仙厓「〇△□」江戸時代後期

09

仙厓「滝見観音画賛」
文政10年(1827)

 

仙厓「一円相(仲秋名月)画賛」江戸時代後期

 

第3章 中国陶磁

 

「三彩騎馬人物」中国、唐時代

 

重文「青磁瓶瓶」
南宋官窯 中国、南宋時代

 

重文「青磁袴腰香炉」
龍泉窯、中国、南宋時代

 

「金襴手孔雀文仙盞瓶」景徳鎮窯
、中国、明・嘉靖「富貴佳器」銘

 

「紫紅釉稜花盆」
釣窯、中国、明時代初期

 

「青花結釉裏紅牡丹唐草文牛頭尊」
景徳鎮窯、中国、清「大清雍正年製」銘

 

以下、第4章、第5章はその2として載せます。

 

出光美術館の軌跡

ここから、さきへ!

復刻開館記念展

仙厓・古唐津・中国陶磁・オリエント

令和6年4月23日発行

編集・発行:

公益財団法人 出光美術館

 

「出光美術館」ホームページ

出光美術館 (idemitsu-museum.or.jp)

 

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