ずばり、シンプルな〇△□が並ぶ。一方、墨の濃淡や図形同士の絶妙な重なりが、幾何学の無機質な印象を取り去っている。そもそも、絵なのか書なのか。
朝日新聞:2024年5月7日
「開館記念展」図録より
三つの図形を組み合わせた本作品は、仙厓作品のなかで最も有名、かつ難解な作品として知られています。一説には、〇は禅宗、△が真言宗、□が天台宗とそれぞれの宗派を象徴させたもの。あるいは、仏教、儒教、神道(あるいは道教)の三教一致の思想を示すものと解釈されます。ほかにも修行の過程を三つの段階で表現したものなど諸説があります。どこまでも謎多き魅力的な作品ゆえに、佐三は英題を「ユニバース(The Universe)」としました。
「復刻開館記念展」
2024年4月23日(火)~5月19日(日)、