山田詠美の「肌馬の系譜」(幻冬舎:2023年10月20日第1刷発行)を読みました。
元始、男性は種馬であった。
そして、女性は、
その相手をする肌馬であった。
声高に叫ばれるモラルや常識の陰で、
ひっそりと漂う“現代の吐息”を描き出す、至芸の作品集。
「あたしは、肌馬そのものだったねえ」。自らを繁殖牝馬になぞらえた呟きをきっかけにこぼれ出す、母娘三代の密やかな本音を綴った表題作「肌馬の系譜」。
数々の言葉を禁句にし、男女のベッドの中にまで持ちこまれるPC(ポリティカル・コレクトネス)に女流作家・山川英々が憤慨する「F××K PC」。
歌舞伎町に流れ着いたホストと立ちんぼ、身元不明の匿名カップルの破滅的な青春を描いた「ジョン&ジェーン」。
……など、バラエティに富んだ珠玉の13篇を収録!!
現代最高峰の短篇小説の名手が贈る、超贅沢傑作作品集!!
目次
わいせつなおねえさまたちへ
F××K PC
ブッディスト・ディライト
私の愛するブッタイ
たたみ、たたまれ
家畜人ヤプ子
ぼくねんじん
陰茎天国
ジョーンズさんのスカート
MISS YOU(ミス ユー)
ジョン&ジェーン
肌馬の系譜
時には父母のない子のように
あとがき
山田詠美:
1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。
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