静嘉堂@丸の内で「二つの頂―宋磁と清朝官窯」を観てきました。
8000年を超える悠久の歴史をもち、陶芸技術の粋を極めた中国陶磁。その歴史上、二つの頂点といえるのが、宋代(960~1279)の陶磁器と清朝(1616~1912)の官窯磁器です。
商工業や各種技術が発達した宋代の中国では、各地で青磁や白磁、黒釉など多種多様で洗練された陶磁器が生み出されました。それらは後世「宋磁」と称えられ、「古典」として現代にまで影響を与え続けています。
また最後の王朝・清朝では、磁器の都・景徳鎮に宮廷用の陶磁器を焼造する政府直営の工房=官窯が設置され、最高の技術と材料をもって皇帝のためのやきものが作られました。
清朝最盛期、康煕・雍正・乾隆の三代(1662~1795)の皇帝たちは、陶磁器への関心が高く、官窯に督陶官が派遣され、技術・意匠の両面で究極ともいうべき作品が次々と生み出されました。
静嘉堂所蔵の清朝官窯磁器には、岩﨑彌之助(三菱第2代社長、1851~1908)が明治20年代という早い段階で蒐集した作品が含まれています。また20世紀初頭には彌之助の嗣子・小彌太(三菱第4代社長、1879~1945)により、日本伝世の宋磁の優品に加え、新出の宋磁や清朝官窯の名品が蒐集され、世界有数の質を誇る中国陶磁コレクションが形成されました。
本展では、南宋官窯をはじめとする静嘉堂の宋磁の名品と、清朝官窯磁器から青花・五彩・粉彩・単色釉の優品を精選し展示します。
展覧会の構成は、以下の通りです。
1章 「唐物」への憧憬―日本伝世の宋磁
2章 「宋磁」の時代
3章 清朝官窯の精華
4章 国宝曜変天目「稲葉天目」のすべて
ここでは3章と4章をその2として以下に載せます。
3章 清朝官窯の精華
4章 国宝曜変天目「稲葉天目」のすべて
静嘉堂@丸の内開館1周年記念
二つの頂―宋磁と清朝官窯
令和5年(2023)10月7日発行
編集・発行:
静嘉堂文庫美術館(公益財団法人静嘉堂)
「静嘉堂文庫美術館」ホームページ
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