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レフ・マイェフスキ監督「ブリューゲルの動く絵」を観た!

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昨年12月半ばに公開された「ブリューゲルの動く絵」、16世紀フランドル絵画の巨匠ブリューゲルの絵画の世界を描いた作品だというので、ぜひ見たいと思っていたのですが、残念ながら見逃してしまいました。先日、東急世田谷線から京王線に乗り換えたときに、下高井戸駅のホームで下高井戸シネマでこの作品が上映されるということを知り、日時と時間を合わせて観に行ってきました。


ブリューゲルと言えば、「ベルギー王立図書館所蔵 ブリューゲル版画の世界」展を観たことを思い出します。なにしろこれでもかと言わんばかりにグロテスクな版画が多数出ていました。また去年、「オランダ・ベルギー旅行」で立ち寄った「ベルギー王立美術館」を思い出します。ブリューゲル親子の部屋があり、ブリューゲル(父)の「イカルスの失墜」「ベツレヘムの戸籍調査」、ブリューゲル(子)の「謝肉祭と四句節の喧嘩」「幼児虐殺」等々、ブリューゲル作品をまとまって観ることができました。


今から12年前、2001年に伊勢丹美術館で開催された「黄金期フランドル絵画の巨匠たち展」も、今図録を見直してみると、「ブリューゲルの子孫と継承者たち」という章が設けられていました。そのなかでピーテル・ブリューゲル(子)の「十字架を担うキリスト」(アントワープ王立美術館)がありました。「ブリューゲルの動く絵」では、ピーテル・ブリューゲル(父)の「十字架を担うキリスト」で、ウィーン美術史美術館蔵のものです。


「十字架を担うキリスト」という同じタイトルで2点もの作品があったには初めて知りました。図録の中で議論しているのは、父の作品をコピーしたのではないか、あるいは子が独自の構図で描いた作品である、という議論でした。いずれにせよ、ブリューゲル父の「十字架を担うキリスト」は、その1点であることに議論の余地はありませんが。


僕はこのブリューゲル(父)の「十字架を担うキリスト」(ウィーン美術史美術館蔵)という作品は、今回の「ブリューゲルの動く絵」で初めて知りました。キリストが処刑の場となるゴルゴダの丘へ十字架を背負って歩く受難が描かれています。大きな特徴は、画面全体に広がる一大スペクタクルを描いているところ、一体何人の人が描かれているのか、画面の目立つところに切り立った岩山とその上に風車を描いているところ、そして「嘆きの聖母マリア」のグループは前景に大きく位置づけられています。


16世紀フランドルに住む人々の日常生活をなぞります。夜が明け、農村の一日が始まります。若夫婦は仔牛を売りに出かけ、岩山の風車守りの家族は風車を回し小麦を挽きます。長閑な村野ようすとは裏腹に、支配者は異端者を迫害しています。アートコレクターのヨンゲリンは画家ブリューゲルに、この有様を表現できるかと問います。それに応えて、ブリューゲルは風車の回転を止めると、すべての光景がピタリと動きを止めます。するとキリストや聖母マリアらが過去から舞い戻り、聖書の「十字架を担うキリスト」の物語が始まります。

以下、とりあえずシネマトゥデイより引用しておきます。


チェック:16世紀フランドル絵画を代表する巨匠で、寓話(ぐうわ)や農民の生活を中心としたテーマで多くの作品を残したピーテル・ブリューゲルの傑作「十字架を担うキリスト」を題材に、映像として再構築。数百人もの人々の姿が描かれた画面から十数人を抽出し、当時の彼らの暮らしを描くと共に聖書の物語も映し出す。絵の外側から自作を眺める画家ブリューゲルとして登場するのは、『ブレードランナー』のルトガー・ハウアー。絵画と映像が一体となった摩訶(まか)不思議な世界観に引き込まれる。

ストーリー:16世紀、朝を迎えたフランドル地方のアントウェルペンで、画家のブリューゲル(ルトガー・ハウアー)は、スケッチブックを持って家から出る。村の高台にある風車小屋も少しずつ回転を始め、農民たちはいつものように仕事に取り掛かるのだった。だが、そんな平和な風景も、馬を駆ってやって来た赤い服装の兵士たちが現われたことによって暗転する。


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「ブリューゲルの動く絵」公式サイト

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