4月4日の朝日新聞東京版に、「アール・ブリュット 欧州巡回へ」という記事が、大きく載っていました。
「アール・ブリュット」とは、フランス語で「加工されていない生(き)の芸術」を意味し、作家には知的障害や精神障害のある人が多い。「アウトサイダー・アート」などとも呼ばれています。
記事には、美術の専門教育を受けていない人が内面からわき上がる情動のままに表現した芸術「アール・ブリュット」。知的障害や精神障害のある日本人作家46人の巡回展が今月から、ヨーロッパの3カ国以上で開かれる、とあります。
日本のアール・ブリュットの本格的な展覧会がヨーロッパで開かれるのは、2008年のスイス・ローザンヌ、10~11年のフランス・パリに続く3度目。大規模な巡回展は初めてという。パリでは12万人を動員するなど反響が大きく、「逆輸入」の形で日本でもアール・ブリュットへの関心が高まりました。
昨年秋、オランダ・アムステルダム郊外にあるドルハウス博物館のハンス・ロイヤン館長が来日、作家が活動する障害者福祉施設などを訪れた。ロイヤン館長は、「一心不乱に創作に打ち込む姿が印象的だった。全人類に共通し、しかも日本独特の芸術表現を紹介したい」と、帰国後、正式に出展を依頼したという。
巡回展では、絵画や陶芸、縫い物など853点を披露。4月20日に開幕するドルハウス博物館を皮切りに、10月半ばからベルギーのギスレン博士博物館、来春から英国のウエルカム・コレクションでも予定されている。帰還はそれぞれ4ヶ月程度。オーストリアやデンマークなど4ヶ国でも開催を調整中という。
「アール・ブリュット・ジャポネ展」 2010~11年
会場になったパリ市立アル・サン・ピエール美術館
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