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今村夏子の「とんこつQ&A」を読んだ!

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今村夏子の「とんこつQ&A」(講談社:2022年7月21日第1刷発行)を読みました。今村夏子の作品は、まあ読んでいるほうです。

 

今村夏子の「星の子」と「こちらあみ子」の二作品が、映画化されています。

映画監督から見たら映画化したい、しやすい原作なんでしょう。

 

2019年「むらさきのスカートの女」で第161回芥川賞を受賞、これも不思議な小説でした。ていうか、今村夏子の小説はどれをとっても不思議な小説です。

 

「とんこつQ&A」

真っ直ぐだから怖い、純粋だから切ない。あの人のこと、笑えますか。

 “普通”の可笑しみから、私たちの真の姿と世界の深淵が顔を出す。


大将とぼっちゃんが切り盛りする中華料理店とんこつで働き始めた「わたし」。「いらっしゃいませ」を言えるようになり、居場所を見つけたはずだった。あの女が新たに雇われるまでは――(「とんこつQ&A」)

姉の同級生には、とんでもない嘘つき少年がいた。父いわく、そういう奴はそのうち消えていなくなってしまうらしいが――(「嘘の道」) 

タムと友加里は二か月前に知り合った。庭に生えているサクランボの木の枝に付いた蕾が膨らみ始めた頃だ。パートを終えて家路に就いた由加里の真横を、下校途中と思しき小学生の集団が駆け抜けて行った。――(「良夫婦」)

高校を卒業してプラスチック部品工場で働き始めたわたし。アパートの家賃を支払うために毎日しぶしぶ出勤していた。勤務開始から二か月目に、芝山さんから話しかけられた。――(「冷たい大根の煮物良夫婦」)

人間の取り返しのつかない刹那を描いた4篇を収録、待望の最新作品集!

 

目次

とんこつQ&A

嘘の道

良夫婦

冷たい大根の煮物

 

今村夏子:

1980年広島県生まれ。2010年「あたらしい娘」で第26回太宰治賞を受賞。「こちらあみ子」と改題し、同作と新作中編「ピクニック」を収めた「こちらあみ子」で2011年に第24回三島由紀夫賞を受賞。2017年、「あひる」で第5回河合隼雄物語賞、「星の子」で第39回野間文芸新人賞、2019年「むらさきのスカートの女」で第161回芥川賞を受賞。他の著書に「父と私の桜尾通り商店街」。著作に「冬の夜」「木になった亜紗」「ある夜の思い出」。

 

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