落合陽一の「忘れる読書」(PHP新書:2022年11月9日第1版第1刷)を読みました。
朝日新聞:2022年11月19日
11月19日「ジュンク堂書店池袋本店調べ」で、この本は新書部門第5位に入っていました。
落合陽一の名前も僕は初めてですし、ましてや「忘れる読書」の内容も題名だけでは分かりませんが。とりあえず当たる当たらないは別にして、アマゾンで買って読んでみることにしました。その前、11月15日、朝日新聞朝刊で大きく広告をうっています。センセーショナルに「大反響、発売即重版」となっています。
落合陽一は1987年生まれというから、まだ35歳です。よくぞ広範囲な知識を身に着けた、見事なものです。が、
「落合陽一をつくった本」、ということで取り上げられた本が27冊、たとえば山本七平の「『空気』の研究」や小室直樹の「危機の構造―日本社会崩壊のモデル」、猪瀬直樹の「ミカドの肖像」や鈴木大拙の「日本的霊性」ですよ。そして世阿弥の「風姿花伝」と村上春樹の「海辺のカフカ」、一休宗純の「狂雲集」、果てはエジソンやガウディまで、部分的にはお説ごもっともであっても、全体的にはまったく脈絡がありません。ただ過去の名著を羅列しただけにすぎません。
この本を読んで「真の教養」が身につくかというと、僕はそうは思いません。この手の本は疑ってかかる必要があります。
朝日新聞:2022年11月15日広告
メディアアーティスト、筑波大学准教授、ベンチャー企業の代表など多彩に活躍する著者。時代の先端を行く著者の思考の源は、実は読書で培われたという。それは、読んだ内容を血肉にするための「忘れる読書」だ。デジタル時代に「持続可能な教養」を身につけるために必要なのは読書だと、著者は断言する。
本書では、古典から哲学、経済書、理工書、文学に至るまで、著者の思考を形作った書籍を多数紹介し、その内容や読み解き方を詳説。著者独自の読書法はもちろん、本の読み解きを通して現代社会を生き抜く思考法までが学べる、知的興奮に溢れる一冊。
目次
第1章 持続可能な教養――新しい時代の読書法
第2章 忘れるために、本を読む
第3章 本で思考のフレームを磨け
第4章 「較べ読み」で捉えるテクノロジーと世界
第5章 「日本」と我々を更新(アップデート)する読書
第6章 感性を磨く読書
第7章 読書で自分の「熱」を探せ
落合陽一:
メディアアーティスト。1987年生まれ、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の早期修了)、博士(学際情報学)。2010年ごろよりメディアアーティストとして活動。
現在、筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターセンター長、准教授・JSTCRESTxDiversityプロジェクト研究代表、京都市立芸術大学客員教授,大阪芸術大学客員教授,デジタルハリウッド大学特任教授,金沢美術工芸大学客員教授.2020年度,2021年度文化庁文化交流使,2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)テーマ事業プロデューサーなどを務める。
2017年 - 2019年まで筑波大学学長補佐,2018年より内閣府知的財産戦略ビジョン専門調査会委員,内閣府「ムーンショット型研究開発制度」ビジョナリー会議委員,デジタル改革法案WG構成員などを歴任.