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Channel: とんとん・にっき
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日本橋高島屋で「法隆寺展」を観た!

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日本橋高島屋で「法隆寺展」を観てきました。この展覧会は20日まで、その前日、19日に行ってきました。デパートの展覧会、あまり期待していなかったのですが、意外や意外、なかなか内容の充実した展覧会でした。法隆寺と言えば、その伽藍は世界最古の木造建築です。修学旅行は別にして、法隆寺へは20数年前に一度観に行きました。夏の暑い盛り、法起寺へ向かう途中、農家でイチジクを買って食べたことを思い出します。


法隆寺には国宝、重要文化財が建築物53棟、彫刻265点、絵画、工芸、書跡など1552点もあり、時代的にも核時代のものを広く網羅しています。まさに「生きた日本美術史」です。多数の文化財が法隆寺に保存されていることの背景には、長年にわたる「太子信仰」があったと言われています。


今回の「法隆寺展」、法隆寺に伝わる聖徳太子像をはじめとする多彩な彫刻や絵画、工芸、染織、書跡など130点余りが展示されています。しかし、130点のうちでも、どれが重要なものなのか、正直のところ、よくわかりません。宗教的な意味で選ぶのか、美的価値で選ぶのかによっても、選ばれるものが異なります。


やはりスーパースター「聖徳太子」を中心に、展示作品が選ばれたようです。わが国宗教史上に輝く業績を挙げられた聖徳太子は、伝説的な「観音の化身」あるいは「仏教の聖者」として尊崇の対象になりました。太子信仰は「聖徳太子伝暦」(10世紀成立)にまとめられた超人的な逸話などに基づく幾多の美術品を生み出し、庶民層まで広く浸透しました。また近代に確立された「わが国の礎を築いた開明的な政治家」「国際的視野に立った古代唯一の文化人」というイメージも太子追慕の念を増幅しました。もちろん、太子信仰の歴史は、法隆寺史と重なる部分が多い。


第3章の「近現代の太子信仰の美」は、この展覧会の特徴的なところです。明治元年以降、神仏分離政策による仏教寺院の没落・疲弊をもたらし、法隆寺も一時は危機に直面したという。しかし、フェノロサ・岡倉天心らによる調査の結果で、寺宝が世界的に認知されます。明治以降今日まで寺宝の調査・模写模造・保存修復の場で、美術工芸家が担ってきた役割は大きい。昭和43年に完成した金堂壁画の再現模写はその典型です。


展覧会の構成は、以下の通りです。

第1章 太子信仰の美術

聖徳太子像や聖徳太子絵伝など、太子信仰を背景に制作された彫刻や絵画、書などを展観します。

第2章 伝世した多彩な寺宝

法隆寺に伝わる仏像、荘厳具、供養具、装具の中から選りすぐり、上代以来、太子信仰とともに歩んできた法隆寺の多彩な寺宝の数々をご紹介します。

第3章 近現代の太子信仰の美

明治10年以降、古美術調査や金堂壁画模写事業などから近現代の彫刻家、画家、工芸家、書家と法隆寺や聖徳太子との関わりが深まり、そのことは作家の新たな創造の糧となりました。そのような中から生まれた絵画、彫刻、書などをご紹介します。



第1章 太子信仰の美術



第2章 伝世した多彩な寺宝






第3章 近現代の太子信仰と美術





聖徳太子1390年御遠忌記念 「法隆寺展」

聖徳太子は混沌とした古代日本に彗星のごとく登場し、「和」の精神を根本とした政治や文化など多方面で活躍し、わが国の基礎を築いた永遠のヒーローです。太子が創建した奈良・法隆寺は世界最古の木造建築群を誇り、太子を慕う人々の思いや信仰が1400年にわたって集積し、仏教美術の一大宝庫となりました。1390年の御遠忌を記念した本展では、法隆寺に伝わる聖徳太子像をはじめとする多彩な彫刻や絵画、工芸、染織、書跡など130点余りの至宝を集め、その美をご堪能いただきます。名品に表れた太子の精神に触れながら、今日を生きる心の糧を感じていただければ幸いです。


とんとん・にっき-hou1 聖徳太子1390年御遠忌記念
「法隆寺展」

図録

監修:

奈良国立博物館

編集:

稲本泰生(奈良国立博物館教育室長)

北澤菜月(奈良国立博物館情報サービス室研究員)
島田康寛(立命館大学大学院教授)

発行:

日本経済新聞社






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