笠間日動美術館・フランス館で「所蔵品展」を観た、という記事を書いたのは3月8日のこと、その時は意識して「西洋の美術」だけを取り上げて載せておきました。今回は「日本の美術」を取り上げて、そのなかから10点選んで載せておきます。建物としては「フランス館」と「日本館」に分かれて建っているのですが、どういうわけか、「日本館」はパレットだけが展示されてあり、日本の美術は、フランス館に展示してありました。
今回取り上げた10点は、僕が好きな画家の好きな作品、ということになります。例えば、ここには載せていませんが、笠間日動美術館所蔵、岸田劉生の「村娘之図」は、モデルは漁師の娘で麗子の遊び友達だった於松、八王子夢美術館で観た「画家 岸田劉生の軌跡」展で、展覧会のポスターになっていた作品で、木炭とパステル、そして水彩で描かれたものです。
あるいは、鴨居玲の「サイコロ」という作品、北海道旭川美術館で、別バージョンの作品、ウッドワン所蔵作品を観ました。笠間日動美術館所蔵の作品と比べると、左右が逆で、もう少し画面が明るい。その時、以下のように書きました。「サイコロですから、賭事をしている、サイコロの目がどう出るか、3人の男が注視している緊張感が、それと画面の構成、色のバランス、これはもう圧巻です。鴨居の他の作品を観てみたいと思いました」。
図録を見ると、鴨居は金沢美術工芸専門学校で、講師として赴任していた宮本三郎の教えを受けたという。その宮本三郎の「画室の自画像」、スケッチブックを持った鋭いまなざしの生気溢れる自身の姿を画面中央に据えています。背景にはバレリーナの絵が掛けられています。 自画像であるにもかかわらず、色彩も背景や構図も装飾的で華やかです。鴨居の作品と比べると、対照的です。
「日本の美術」でまず最初に出てくるのは、高橋由一の「鯛図」、有名な「鮭図」と同様、魚の鱗に至るまで細部まで緻密に描かれています。ここでは取り上げていませんが。次が五姓田義松、義松は五姓田芳柳の次男として江戸に生まれます。11歳より横浜でワーグマンに洋画の手ほどきを受け、その後工部美術学校に入学し、フォンタネージの指導を受けます。「人形の着物」は、サロンの入選作の一つ、円熟期の五姓田の代表作です。
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図録
2010年7月1日発行
編集・発行:笠間日動美術館
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