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町田市立国際版画美術館で「浮世絵―国芳から芳年へ―」展を観た!

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町田市立国際版画美術館で「浮世絵―国芳から芳年へ―」展を観てきました。国芳作品約40点、芳年作品約65点、関連する絵師の作品約15点、出品作品総数浮世絵約120点の版画展です。


ここ数年、歌川国芳を取り上げた大きな展覧会が続いています。府中市美術館で「歌川国芳―奇と笑いの木版画」展がありました。また、太田記念美術館で「破天荒の浮世絵師 歌川国芳」展がありました。そして六本木の森アーツセンターギャラリーで「没後150年 歌川国芳展」が開催されました。それらのすべてが国芳を、いわゆる「奇想の画家」として取り上げていました。辻惟雄の「奇想の系譜」の内容紹介には、以下のようにあります。


意表を突く構図、強烈な色、グロテスクなフォルム―近世絵画史において長く傍系とされてきた岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢蘆雪、歌川国芳ら表現主義的傾向の画家たち。本書は、奇矯(エキセントリック)で幻想的(ファンタスティック)なイメージの表出を特徴とする彼らを「奇想」という言葉で定義して、“異端”ではなく“主流”の中での前衛と再評価する。


「没後150年 歌川国芳展」では、「画想の豊かさ、斬新なデザイン力、奇想天外なアイデア、確実なデッサン力を持ち、浮世絵の枠にとどまらない広汎な魅力を持つ作品を多数生み出した絵師です」と解説がなされていました。また、開業間近の東京スカイツリーとの関連でも、大きく取り上げられたりもしました。


今回の「浮世絵―国芳から芳年へ―」は、大向こうを唸らせるとびきりの目玉作品があるわけではありません。「国芳から芳年へ」とあるように、国芳から芳年へ、江戸から明治へと受け継がれた浮世絵の世界に焦点が当たっていて、言うなれば「地味な展覧会」です。例えば、国芳の「唐土二十四孝」、中国に伝わる親孝行の説話を描いたものですが、僕は初めて観ました。いままで、どこの展覧会でも取り上げられたことがないようです。これは作品としては「地味」です。逆に芳年の「月百姿」は、月にちなんだ説話や故事を描いたもので、誰もが知っている芳年の大ヒット作です。


浮世絵をシリーズものとして観ること、これは今回、始めて意識して観ました。「唐土二十四孝」や「月百姿」はもちろんのこと、「小倉擬百人一首」や「和漢百物語」、「美勇水滸伝」や「魁題百撰相」など、他にも「新柳二十四時」や「風俗三十二相」など、シリーズものとして観る、ということを始めて知り、意識して観ました。


「唐土二十四孝」より

中国に伝わる親孝行の説話24篇を集めたシリーズで、西洋の表現を取り入れた描写です。

「小倉擬百人一首」より

当時の歌川派人気絵師3人が手がけたコラボレーション。全100枚のシリーズです。


「和漢百物語」より

芳年初期の妖怪絵の傑作です。生き生きとした妖怪たちからは、怖いというより楽しい印象を受けます。



「魁題百撰相」より

南北朝から江戸時代初期の歴史上の人物の肖像を描いたもの。戊辰戦争をめぐる人々の見立て絵としての側面もあります。


「風俗三十二相」より

江戸時代から明治まで、様々な階級の女性を描くシリーズ。題名「~そう」と相をかけています。

「藤花鯉魚」

「月百姿」より

月にちなむ説話や故事を描いた芳年最後の大作です。


「浮世絵―国芳から芳年へ―」

幕末に活躍した歌川国芳(うたがわくによし 1797~1861)は、「武者絵の国芳」として名高く、洋風の説話画や美人画など、さまざまなジャンルに筆をふるいました。近年はその斬新な発想ゆえに「奇想の絵師」としても注目をあつめ、いまもなお私たちを魅了します。人情に厚い江戸っ子だった国芳にはたくさんの弟子がいました。そのひとり月岡芳年(つきおかよしとし 1839~92)は、デビュー当時には国芳の作風をよく学んだ浮世絵を描いていました。明治期になると師匠の作品には見られない繊細な筆づかいに個性を発揮、美人画や日本古来の説話画を多く生み出し、明治期の浮世絵界の第一線をつねに走りつづけました。芳年は明治という新しい時代よりも江戸の昔を懐かしんだ人だったので、洗練されたその作品にはどこか江戸の面影が漂っています。本展では、国芳から芳年へと受け継がれた、幕末明治期の浮世絵約120点をご紹介いたします。高度な技術によって生み出された浮世絵の多彩さ、美しさをご堪能ください。


「町田市立国際版画美術館」公式サイト


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国芳暁斎なんでもこいッ展だィ!


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