「英国王のスピーチ」(原題: The King's Speech)は、早くからチラシを手に入れて、観たいと思ってカレンダーに書き入れていましたが、アカデミー賞7部門(作品賞、英国作品賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞、音楽賞)を受賞したので、いっぺんに興ざめし、観るべき映画のリストから外していました。先日アムステルダムまでの飛行機の中、所要時間11時間35分もあり、機内で映画のリストをみたところ「英国王のスピーチ」があり、考えを改めて、とりあえず観てみることにしました。途中、後部にあるトイレへ行って戻る際に、機中で映画を観ている人の半分の人がこの「英国王のスピーチ」を観ているのには、当然というべきか、それにしてもやはり驚きました。
兄のデイヴィッド王子は、エドワード8世として国王に即位、しかし、アメリカ人で離婚歴があり、まだ2番目の夫と婚姻関係にあるシンプソン夫人と結婚をすることを望んでいました。エドワード8世はあんなにイヤなヤツだったのか?またシンプソン夫人はあんなにあばずれのイヤらしい女だったのか?この一連の騒動は「王冠を賭けたた恋」と言われました。エドワード8世は、「愛する女性の助けと支え無しには、自分が望むように重責を担い、国王としての義務を果たすことが出来ないということを」と、退位時の演説で言っとか。退位後はウィンザー侯爵となりました。僕の印象ではもっと紳士・淑女に描いていればよかったと思いました。
英国王室の映画と言えば、「クイーン」があげられます。2007年5月、新宿武蔵野館で観ました。たしか主演した女優は、アカデミー賞主演女優賞を受賞したと思います。僕は1989年に、お上りさんよろしく、バッキンガム宮殿を訪れています。いずれにしても、「クイーン」も「英国王のスピーチ」も、よくぞここまで王室の内部まで赤裸々に描いたものです。クイーンはエリザベス2世、その父がジョージ6世、面白いものです。「英国王のスピーチ」の中で、チャーチルの描き方も、あんなにデブの小男で、調子のいいヤツったのか、疑問です。大司教も吃音の治療に、資格もないものに任せるのには反対します。もちろん、映画的な誇張として設定されているのでしょうが。
さて、幼い頃から吃音に悩んでいたアルバート王子、後のジョージ6世と、その治療に当たった吃音症治療の専門家との、吃音克服に至る物語です。国王にとって吃音は深刻な問題です。その治療法が型破り。相手は国王でも、容赦はしません。2人が信頼関係を築きあげたのは、偶然にも、当時実用化されたばかりの「レコード」でした。吃音を克服するのも、妻の献身的な支えがあったからです。国王とその妻との関係、子供たちとの関係など、王室の家族関係がよく描かれていて、ほほえましい。ニュース映画をみて、ヒトラーの演説に強い印象を受けます。国王が生放送で演説を行うときには、観ているものも手に汗を握ります。
以下、とりあえずシネマトゥデイより引用しておきます。
チェック:
吃音(きつおん)に悩む英国王ジョージ6世が周囲の力を借りながら克服し、国民に愛される王になるまでを描く実話に基づく感動作。トロント国際映画祭で最高賞を受賞したのを皮切りに、世界各国の映画祭などで話題となっている。監督は、テレビ映画「エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~」のトム・フーパー。ジョージ6世を、『シングルマン』のコリン・ファースが演じている。弱みや欠点を抱えた一人の男の人間ドラマと、実話ならではの味わい深い展開が見どころ。
ストーリー:
幼いころから、ずっと吃音(きつおん)に悩んできたジョージ6世(コリン・ファース)。そのため内気な性格だったが、厳格な英国王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)はそんな息子を許さず、さまざまな式典でスピーチを命じる。ジョージの妻エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)は、スピーチ矯正の専門家ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)のもとへ夫を連れていくが……。
過去の関連記事:
以下の画像は、僕が見たバッキンガム宮殿(1989年当時)。