ゴダール監督、自殺幇助で91歳で死去 仏映画ヌーベルバーグの巨匠
フランス映画界で革新的なヌーベルバーグ(新たな波)を先導した、映画監督のジャン=リュック・ゴダールさんが13日、死去した。91歳だった。
ゴダールさんは1960年の「勝手にしやがれ」で、映画界で注目を集めた。映画のルールを書き替える、高い評価を受けた作品を次々と生み出し、マーティン・スコセッシさんやクエンティン・タランティーノさんら多くの映画監督に影響を与えた。
家族の代理人によると、ゴダールさんはスイスで自殺幇助(ほうじょ)を受けて死去した。スイスでは自殺幇助は、状況によって合法とされている。
ゴダールさんの法律顧問であるパトリック・ジャンヌレさんは、ゴダールさんが「スイスで法的支援を受けて自発的に旅立った。医療報告書によると、『体の機能を失う複数の病気』に侵されていた」とAFP通信に話した。
(以下、略)
fubukiさんの記事
過去の記事を再掲します。
ジャン=リュック・ゴダール監督とジャン=ポール・ベルモンド主演の「勝手にしやがれ」を観た!
ジャン=リュック・ゴダール監督とジャン=ポール・ベルモンド主演の「勝手にしやがれ」を観ました。原案は巨匠フランソワ・トリュフォーが担当。ヌーベルバーグを代表する一作です。
シネマ「勝手にしやがれ」
2021年1月21日(木) 1:00PM(1H31M) NHKBSプレミアム
ウィキペディアには、下記のようにある。
ヌーベルバーグの記念碑的作品であり、フランソワ・トリュフォーが原案、クロード・シャブロルが監修、ジャン=リュック・ゴダールが監督・脚本を務めた。ゴダールにとっては初の長編映画である。
時間の経過を無視して同じアングルのショットを繋ぎ合わせるジャンプカットという技法を用いたり、手持ちカメラでの街頭撮影、高感度フィルムの利用、即興演出、隠し撮り、唐突なクローズアップなど、これまでの映画の既成概念をひっくり返し、映画の文法を壊した、映画史に残る作品となった。本作でゴダールはヌーベルバーグの旗手となり、アメリカン・ニューシネマなどに多大な影響を与えた。
たまたま購入したばかりの蓮實重彦の「見るレッスン 映画史特別講義」(光文社新書:2020年12月30日初版)には、以下のようにありました。
「勝手にしやがれ」はとにかくわたくしは笑い転げました。当時、フランス留学の準備のために通っていた日仏学院で夕方の授業を受けた後、最終回の上映に東大の先輩と一緒に行き、他の観客は誰も笑ってないのに、彼とわたくしだけで異様に盛り上がった記憶があります。これはまさしく自分と同じことを考えている男が作った映画だ、といううぬぼれもありました。まず、ハンフリー・ボガードのポスターの前でジャン・ポール・ベルモンドがポーズを決めているシーンから、ゴダールはアメリカ映画が大好きな人だとすぐに分かった。ハリウッドが持っている作法を十分心得たうえで、それを意図的に壊していく人だとも感じました。
「ハンフリー・ボガードのポスターの前でジャン・ポール・ベルモンドがポーズを決めているシーン」、ビデオを観直して確認しました。もちろん「勝手にしやがれ」は、僕も若いころ観ています。若すぎてよく覚えていないのですが、ラストの背中の下方をピルトルで撃たれて、ジャン・ポール・ベルモンドがよろよろと歩いて最後は倒れてしまいます。倒れてもなおかつタバコをふかしていました。この最後のシーンを観て、確かに観たことを思い出しました。それにしても、ボーイッシュなジーン・セバーグ、可愛かったですね。
以下、シネマトゥデイによる
見どころ:
ジャン=リュック・ゴダール監督と主演ジャン=ポール・ベルモンドの強力タッグによる、ヌーベルバーグを代表する一作。犯罪に手を染めた男とアメリカ人留学生との関係を軸に、破滅へと向かう男の姿を活写する。原案を『大人は判ってくれない』などの巨匠フランソワ・トリュフォーが担当。斬新な手法で映画史を大きく塗り替えた意欲作に心をわしづかみにされる。
あらすじ:
ミシェル(ジャン=ポール・ベルモンド)は盗んだ車でマルセイユからパリを目指す途中、追跡してきた白バイ警官を殺してしまう。どうにかパリにたどり着き、彼はアントニオ(アンリ=ジャック・ユエ)から受け取ることになっていた金を取りに旅行代理店に行くが、渡されたのは小切手だった。その後ミシェルは、刑事の尾行をかわしてパトリシア(ジーン・セバーグ)に会いにいき……。
「勝手にしやがれ」予告編
ゴダールによるヌーヴェルヴァーグの傑作!映画『勝手にしやがれ』予告編 - YouTube
朝日新聞:2022年9月15日