2010年9月、横浜美術館の「ドガ展」で観たドガの最高傑作「エトワール」(1876-77年)は、パステルで描かれたものでした。2012年1月、三菱一号館美術館の「ルドン展」で観たルドンの大作「グラン・ブーケ」(1901年)は、パステルで描かれたものでした。クレパスは、クレヨンとパステルの当世を兼ね備えた描画材料として、1925(大正14)年、日本で誕生したという。「クレパス」は、(株)サクラクレパスの登録商標と、但し書きがありました。
笠間日動美術館・企画展示館で「クレパス画展」を観てきました。「クレパス展」と侮るなかれ、その描写力、その表現力には驚きました。チラシには、クレパスの特性を活かして描かれた作品は、油彩画とは異なる独自の世界を展開しています」とあります。57人の出品作家、出されていたのは全部で63作品、どれもこれも力作揃いでした。また他に、出品作家の油彩画を31点、選抜展示してありました。真っ黒い画面の鴨居玲の作品「勲章」に引き込まれました。
「現代洋画家たちの クレパス画展」
1925(大正14)年、クレパスは、クレヨンとパステルの特性を兼ね備えた描画材料として日本で誕生しました。その背景には、大正時代の自由画運動があり、子供にも扱いやすい絵具として美術教育の場に広まっていきました。また、混色や重ね塗り、盛り上げやぼかしなど様々な技法が可能なことから、画家たちにも注目され親しまれました。本展では、文化功労者の島田章三、奥谷博をはじめ、現代の洋画壇で活躍する画家たちが描いたクレパス画をご紹介します。クレパスの特性を活かして描かれた作品は、油彩画とは異なる独自の世界を展開しています。また、併せて出品作家の油彩画を選抜展示し、その幅広い絵画表現をご覧いただきます。それぞれが確たる技術と豊かな個性で創り出す世界をお楽しみください。