「八日目の蝉」が、第35回日本アカデミー賞の最優秀作品賞を始め10冠を制した、と今朝の新聞は伝えていました。この映画をツタヤで借りたDVDて観たのは、森田芳光監督の「(ハル)」や、ブルガリア映画「ソフィアの夜明け」と一緒に借りて観たときでしたから、1月20日頃、もう大分前のことです。記事にしようと画像などを用意してあったのですが、ズルズルと延びてしまい、大慌てでこの記事を書いています。
家人がNHK朝の連続テレビ小説「おひさま」をずっと観ていたので、井上真央のことは知っていました。また、先日、奥久慈へ行ったときには、主演の井上真央演じる須藤陽子の母校で赴任先でもある小学校のロケに使われた、大子町の旧上岡小学校を訪れたりもしました。僕は満島ひかり演じる育子さんのほうが好きでしたが。永作博美は、童顔でちょっと線が細いとは思いますが、「腑抜けども哀しみの愛を見せろ」あたりから注目、気になる女優の一人でした。
この映画の原作、角田光代の小説がベストセラーになっているのは知っていました。しかし角田の「対岸の彼女」を読んでいたので、またストーリーがステロタイプの小説だろうと思って、読むのを躊躇していました。「八日目の蝉」がNHKでテレビドラマ化され、夜の放送になっていたことも知っていました。映画になったときは観に行きたいと思っていたのですが、公開時に見逃して、結局、DVDで観たというわけです。好きな男の子どもを身ごもるも生むことは叶わず、男の妻の子どもを誘拐し逃亡するも、擬似的な母と娘の幸せな生活も4年で終わります。成長した娘も、妻のある男の子どもを妊娠。母と娘はいつかきた同じ道を歩むのか。
井上真央は「おひさま」の控えめな演技とは違って、けっこう大胆な女に変身、顔つきも鋭くなって、見事な演技でした。井上真央が主演女優賞なら、助演女優賞は永作博美、その他、やはり脇役の演技が素晴らしい。なぜか第54回ブルーリボン賞の主演女優賞は永作博美もらっています。くしくも今日はひな祭りの日です。ラスト、ひなびた写真館で最後に思い出の写真を撮る母と娘。永作がいい。写真館の店主もいい。かつて船着き場で母が目の前で警察に捕まり、母娘が別れ別れになった場所、小さい頃のそのわずかな思い出を辿って訪れた船着き場で、井上真央が過去を思い出して涙ぐむ姿は、感動を誘いました。
以下、とりあえずシネマトゥデイより引用しておきます。
チェック:誘拐犯の女と誘拐された少女との逃亡劇と、その後の二人の運命を描いた、角田光代原作のベストセラー小説を映画化したヒューマン・サスペンス。監督は、『孤高のメス』など社会派エンターテインメント作品で定評のある成島出。誘拐された少女の大学生時代を井上真央が演じ、愛人の娘を誘拐する女性に永作博美がふんするほか、小池栄子や森口瑤子、田中哲司など実力派俳優が勢ぞろいする。(タイトルの「蝉」は、「虫」に「單」が正式表記)
ストーリー:子どもを身ごもるも、相手が結婚していたために出産をあきらめるしかない希和子(永作博美)は、ちょうど同じころに生まれた男の妻の赤ん坊を誘拐して逃亡する。しかし、二人の母娘としての幸せな暮らしは4年で終わる。さらに数年後、本当の両親にわだかまりを感じながら成長した恵理菜(井上真央)は大学生になり、家庭を持つ男の子どもを妊娠してしまう。
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