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川村記念美術館で「クリストとジャンヌ・クロード―包む、覆う、積み上げる」を観た!

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「クリストとジャンヌ・クロード―包む、覆う、積み上げる」
チラシ

 

「川村記念美術館」外観

 

川村記念美術館で「クリストとジャンヌ・クロード―包む、覆う、積み上げる」を観てきました。久しぶりの川村記念美術館です。

 

改修工事を終えたDIC川村記念美術館。予約制・時間短縮し、2021年10月3日(土)までは全館コレクション展示となります。コレクションは、レンブラント、モネやルノワールら印象派、ピカソ、シャガールなどの西洋近代美術など多くの優れた作品が揃っています。なかでも、20世紀後半のアメリカ美術のコレクションには驚かされます。さて、コレクション展示の期間中に一室を使ってクリストとジャンヌ=クロードの小企画展を開催されます。

 

企画展・コレクション展示

クリストとジャンヌ゠クロード 

―包む、覆う、積み上げ

 

展示概要:

クリスト(1935-2020)とジャンヌ゠クロード(1935-2009)は芸術家ユニット「クリストとジャンヌ゠クロー ド(Christo and Jeanne-Claude)」として、1961 年以来世界各地で巨大なスケールのプロジェクトを次々に実 現させました。今年の 9 月にはパリの凱旋門を包むプロジェクトが実現する予定です。 今回の特集展示では、当館の所蔵する縮尺模型やコラージュそして版画の 16 点を一挙に公開します。これらの作 品の中には、今秋にパリで実現が予定されている凱旋門を包むプロジェクトの構想初期の作品や、日の目を見な かったアイディアも含まれています。巨大なスケールで構想され、様々な手法をとる各プロジェクトの完成イメ ージを、その概要とともにご紹介いたします。 

 

出品作品について:

クリストとジャンヌ゠クロードは共同でプロジェクトを構想しましたが、その完成イメージを具現化した縮尺模 型やコラージュなどの制作はクリスト一人が担っていました。そして、二人はそれらを販売し、プロジェクト実現 のための資金を賄いました。当館の所蔵する版画は、記録写真やドローイングそしてコラージュや合成写真をも とに制作されています。また、コラージュや縮尺模型には布や紐が用いられ、そのしわや結び目から一つ一つクリ ストが自らの手で制作していたことを感じ取とることが出来ます

 

「包まれたホイットニー美術館」

(ニューヨークのためのプロジェクト)

実現せず/アメリカ、ニューヨーク

ホイットニー美術館を包む計画は、1968年に同館で開催された「アニュアル展」のために構想された。クリストは前年に出品を打診され、縮尺模型やドローイングを制作している。しかし、美術館側には否定的な意見が多く、実現には至らなかった。当館の収蔵作品には布や糸がクリスト自身の手でコラージュされており、計画されていた素材の質感を伝えている。

 

 

5600平方メートルのパッケージ

(カッセル、ドクメンタ4、1967-68年)

実現/1968年8月3日~10月6日(65日間)

/ドイツ、カッセル

空気の圧力によって直立するこの巨大なオブジェは、国際芸術展「ドクメンタ4」のために制作された。クリストとジャンヌ=クロードがそれまでに手がけたなかでも最大の作品で、重さは6トン、高さは85メートルにもなり、はるか遠方からでも見ることができたという。立ち上げ作業は1968年6月24日に着手されたが、それから1ヵ月以上も難航し、展覧会開幕後の8月3日にようやく成功している。最終的には5台ものクレーンを動員する大がかりなものとなった。当館の収蔵する「縮尺模型」は幾つかのパーツからできており、分解して他の版画とともには粉に収めることができる。

 

 

鉄のカーテン―ドラム缶の壁

(パリ、ヴィスコンティ通り、1961-62年)

実現/1962年6月27日(8時間)/フランス、パリ

クリストとジャンヌ=クロードはパリのJ画廊での個展に合わせ、89本のドラム缶を積み上げて道を封鎖する計画を立てた。この計画はベルリンの壁建設が着想源と言われている。実施場所として選ばれたのは、セーヌ川とサン・ジェルマン大通りの間に位置し、パリの中で最も細い通りのひとつであるヴィスコンティ通りだった。二人は個展とプロジェクトをポスターやポストカードで告知し、それと並行して、申請書の準備や行政機関との交渉も行った。しかし、当日まで実行許可が下りず、無許可で強行された。計画実行の日、クリストがドラム缶を積み上げていると警察がやってきて中断を求めたが、ジャンヌ=クロードが対応して時間を稼ぎ、高さ4.2メートル、幅4メートル、奥行き0.8メートルの壁が完成した。現地では数人の写真家によってプロジェクトの様子が記録され、国内外の媒体で紹介されて二人の名が広く知られるようになった。

 

 

包まれた公共建築(プロジェクト)「パリの凱旋門」

実現予定/2021年9月18日~10月3日(16日間)

/フランス、パリ

1962年に構想がはじまり、約60年を経て今秋実現される予定のプロジェクト。当初は2020年4月6日~16日の予定であったが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により延期された。クリストは、この計画のために縮尺模型を用意し、写真家の協力を得て、模型のネガと夜景のネガを組み合わせた合成写真を制作した。夜景はゲイ専門に通じるォッシュ通りを写したもので、実際にこの通りから凱旋門を眺めると斜めに見える。つまり、この「フォッシュ通りから見える兆候系の凱旋門」は作り上げられた非現実的なイメージといえる。当初クリストとジャンヌ=クロードは実現可能とは考えていなかったが、80年代にはイメージの現実味が増し、最終的には、凱旋門のフォルムに沿って包み、ポリプロピレン製の青みがかった銀の生地と赤い紐が使用されることに決まった。この色違いはフランス国旗のトリコロールを想起させ、パリで行うプロジェクトに相応しい。

 

 

展覧会の概要:

クリスト(1935-2020)とジャンヌ゠クロード(1935-2009)夫妻は、芸術家ユニット「クリストとジャンヌ゠クロード (Christo and Jeanne-Claude) 」として、世界各地で大規模なプロジェクトを実現させました。なかでも、建造物をシート状の素材と紐で包むプロジェクトを手がけたことで知られています。

 

ブルガリア出身のクリストは、首都ソフィアの美術アカデミーで、絵画や彫刻そして建築や装飾美術などを幅広く学びました。1957年にウィーンへ亡命後ジュネーヴに行き、翌1958年にチューリヒで缶や瓶を布で包んだ「包まれたオブジェ」の制作を開始します。そして同年のうちにパリに居を定め、生活のために肖像画の依頼を受けるなか、依頼主の娘であったジャンヌ゠クロードと出会います。二人は同じ1935年6月13日生まれであることに運命を感じ、生涯を共にすることを決めました。

1961年より多様なプロジェクトを共同で構想し、その過程でクリストが制作した縮尺模型やコラージュなどを販売して資金を賄うことで、プロジェクトを実現させてきました。当館所蔵の作品もすべてこうした目的のために制作されたものです。

今回の特集展示では、全館コレクション展示のうち一室で、当館所蔵の16点を一挙に公開いたします。これらの作品の中には、今秋パリで実現が予定されている凱旋門を包むプロジェクトの初期構想や、日の目を見なかったアイディアも含まれています。巨大なスケールで構想され、さまざまな手法をとる各プロジェクトの完成イメージを、その概要とともにご紹介いたします。

 

「DIC川村記念美術館」ホームページ

DIC川村記念美術館 | Kawamura Memorial DIC Museum of Art

 

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