千葉市美術館所蔵 新版画ー進化系UKIYO-Eの美
展覧会の構成は以下の通りです。
プロローグ:新版画誕生の背景
第1章:新版画、始まる
第2章:渡邊版の精華
第3章:渡邊庄三郎以外の版元の仕事
第4章:私家版の世界
近来まれにみる充実した展覧会でした。
新版画の魅力を余すことなく伝えています。
千葉市美術館の新版画コレクションから約120点で構成されます。
ここでは第3章、第4章をその2として、分けて掲載します。
第3章:渡邊庄三郎以外の版元の仕事
第4章:私家版の世界
川瀬巴水・吉田博・伊東深水
/世界を魅了した木版画
新版画は、江戸時代に目覚ましい進化を遂げた浮世絵版画の技と美意識とを継承すべく、大正初年から昭和のはじめにかけて興隆したジャンルです。版元・渡邊庄三郎(わたなべしょうざぶろう・1885-1962)のアイデアをもとに、伝統的な技術を用いながらも画家たちの新鮮な感覚を重視して生み出された数々の優品は、アメリカを中心に国内外で広くファンを獲得してきました。今や「shin-hanga」は、「ukiyo-e」とともに、世界の共通語になりつつあります。
本展は、千葉市美術館が誇る新版画コレクションから選りすぐった約120点で構成されます。橋口五葉の《浴場の女》や伊東深水の《対鏡》といった最初期の初々しい傑作から、川瀬巴水の情感豊かな日本風景、吉田博の精緻な外国風景、山村耕花や吉川観方による個性的な役者絵を経て、昭和初期のモガを鮮烈に描いた小早川清《近代時世粧》に至る、新版画の成立から発展形への歴史をたどることができる充実の内容です。美人・風景・役者の各ジャンルの花形作家たちの競演と、伝統技術の粋と革新的な表現の煌びやかな融合をぜひご堪能ください。
千葉市美術館所蔵
新版画―進化系KIYO-Eの美
展覧会図録
2021年8月25日発行
編集:西山純子(千葉市美術館)
吉田洋子(山口県立萩美術館・浦上記念館)
日本経済新聞社文化事業部
発行:日本経済新聞社©2021
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