栗原康の「サボる哲学 労働の未来から逃散せよ」(NHK出版新書:2021年7月10日第1刷発行)を読みました。帯の檄文が凄い。
「万国の労働者よ、駄々をこねろ」
栗原康の著作、最初に読んだのは
なにしろタイトルがすごい、引きつけます。
「美は乱調にあり」は、母親が持っていたもので、昔、読みました。
が、また栗原康の著作を読んだというわけです。
伊藤野枝と大杉栄とくればアナーキズム、栗原康がアナキズムの研究家だということは、この本で初めて知りました。そして次々と彼の書くものを読み始めました。「サボる哲学 労働の未来から逃散せよ」は、彼の最新の著作です。
稀代のアナキスト文人、
現代の労働倫理を
爆破する。
内容紹介
万国の労働者よ、駄々をこねろ!
コロナ禍でさらに屈折する現代の労働倫理や規範意識。「はたらかざるもの、食うべからず」。私たちはなぜ心身を消耗させながら、やりたくない仕事、意味のない仕事に従事し、生きるためのカネを稼ぐのか。
社会からはいつでも正しい生き方や身の処し方が求められ、もっと頑張れ、努力しろと急き立てられる。そこから逸脱すれば落伍者。そんな世界は正常か?
気鋭のアナキスト文人が、フーコーからグレーバー、『古事記』から『鬼滅の刃』、果ては近所の野良猫までをも俎上にあげながら、資本主義の絶対的な権力性を背景にした労働倫理を相対視し、そこから踊るように抜け出す道を拓く。未来をサボれ!
目次
第1章 笑殺の論理―『鬼滅の刃』とはなにか?
第2章 アナキスト、モノを買う―「いきなり!ステーキ」がいきなり燃えた
第3章 いまこの場を旅して住まう―痕跡のアナキズム
第4章 海賊たちの宇宙技芸―たたかうべきだ、逃げるために
第5章 アンダーコモンズ!―『ランボー、怒りのハリエット』
第6章 やっちゃえ―労働の動員か、それとも生の拡充か
第7章 懐かしい未来の革命を生きろ―アナーキーの自発
第8章 失業者のストライキ―所有じゃねえよ、居住だよ
第9章 未来をサボれ―大杉栄、日本脱出の思想
第10章 機械を破壊し、機械になれ―フリー・フリーダム!
栗原 康:
東北芸術工科大学非常勤講師、政治哲学者。1979年埼玉県生まれ。専門はアナキズム研究。著書に『大杉栄伝~永遠のアナキズム』(角川ソフィア文庫)『はたらかないで、たらふく食べたい~「生の負債」からの解放宣言』(ちくま文庫)『村に火をつけ、白痴になれ~伊藤野枝伝』『アナキズム~一丸となってバラバラに生きろ』(岩波書店)『死してなお踊れ~一遍上人伝』(河出書房新社)などがある。
過去の関連記事:
栗原康の「アナキズム 一丸となってバラバラに生きろ」を読んだ!
「狂い咲け、フリーダム アナキズム・アンソロジー」
ちくま文庫
2018年8月10日第1刷発行
編者:栗原康
発行所:株式会社筑摩書房