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パレット柏・柏市民ギャラリーで「髙島野十郎展」を観た

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「生誕130年記念 高島野十郎展」チラシ

 

「パレット柏・柏市民ギャラリー」入口

 

パレット柏・柏市民ギャラリーで「髙島野十郎展」を観てきました。

 

僕は、2016年に目黒区美術館で高島野十郎に出会い、圧倒され、それ以来、注目してきました。圧巻は、幾つかの「自画像」と、「蝋燭」「月」でしょう。

目黒区美術館で「高島野十郎展 光と闇、魂の軌跡」を観た!

 

今回の「生誕130年記念 高島野十郎展」は、全国の中小美術館5か所を巡回する企画展です。スケジュールは、下記の通りです。

 

久留米市美術館(福岡県)   2021年1月20日~4月4日

奈良県立美術館(奈良県)   2021年4月17日~5月30日

瀬戸内市立美術館(岡山県)  2021年6月5日~7月19日

柏市民ギャラリー(千葉県)      2021年7月25日~8月8日

高崎市美術館(群馬県)         2021年9月5日~11月7日

 

NHK日曜美術館でも紹介されました。

2021年2月28日(日) 9:45AM(0H15M) NHKEテレ1東京

「生誕130年記念 高島野十郎展」久留米市美術館(福岡)

久留米市美術館「生誕1330年記念 高島野十郎展」!

 

展覧会の構成は、以下の通りです。

第1章 青年期

第2章 滞欧期

第3章 戦前期

第4章 戦後期

第5章 光と闇

 

第1章 青年期

高島野十郎の仏教的な世界への関心は、10代の作品にすでに表れており、その後30代までの作品に特徴的な、暗い色調とうねるような形態には、同時代の岸田劉生ら草土社の画家たちの影響を見ることができます。 青年期には謎めいた雰囲気の自画像を数点描いています。

 

「蓮華」
明治37-42年頃(c.1904-09)

 

「絡子をかけたる自画像」
大正9年(1920)
 

「りんごを手にした自画像」
大正12年(1923)

 

「早春」大正10年(1921)

 

「けし」大正14年(1925)

 

第2章 滞欧期

 

1930年、40歳になる直前に渡欧した野十郎は、パリを拠点に美術館や教会を見て回り、写生に励む日々を過ごしました。 滞欧中の作品には、それまでの緻密な描写とは異なる素早い伸びやかな筆遣いが見られ、初めて見る西洋の風景を前にした野十郎の感動が率直に表れています。

 

「パリ郊外」昭和5-8年(1930-33)
 

「ノートルダムとモンタ-ニュ通りⅡ」
昭和7年頃(c.1932)

 

「梨の花」昭和5-8年(1930-33)

 

「イタリヤの海 キオッジア漁村」
昭和5-8年(1930-33)

 

第3章 戦前期

帰国後久留米の生家に戻った野十郎は、庭の一角に小さなアトリエを建て、制作に打ち込みました。 1936年頃に再び上京し青山に居を構えてからは、2年ごとに個展を開催するなど充実した東京時代を過ごします。 終戦直前には、姉がいた福岡県八女市へ一時疎開もしますが、この戦前期には密度の濃い風景画や静物画を多数手がけています。

 

「煙草を手にした自画像」
昭和10年代(1935-44)
 

「春雨」昭和10年代頃(c.1935-44年)
 

 

「静物」昭和18年(1943)

 

「からすうり」昭和10年(1935)
 

第4章 戦後期

 

4章では、戦後から1975(昭和50)年に亡くなるまでの30年間に描かれた作品を紹介します。 70代に入った野十郎は静かな環境を求めて千葉県柏市に移り、全国へ写生の旅に出かけました。 戦後期の作品には、対象の細部まで緻密に描きながら構図にゆるぎない安定感がある、野十郎の写実のスタイルの完成を見ることができます。

 

「流」昭和32年頃(c.1957)

 

 

「御苑の春」
昭和23年以降(after1948)

 

「睡蓮」昭和50年(1975)

 

「柿と栗」昭和42年頃(c.1967)

 

「れんげ草」昭和32年(1957)

 

「菜の花」昭和40年頃(c.1965)
 

「葡萄」昭和23年以降(after1948)

 

第5章 光と闇

 

蠟燭や月、太陽をテーマとした連作は、野十郎の画業を最も特徴づけるものです。 仏教などに裏付けられた独自の思想が、光と闇という対極にある現象の追求へ導いたのでしょう。 野十郎が描いた様々な光は、見る者の心の内まで照らし出すかのような静かな力に満ちています。

 

「蝋燭」大正時代(1912-26)

 

「太陽」昭和50年(1975)

 

「月」昭和37年(1962)

 

「生誕130年記念 高島野十郎展」

本展は髙島野十郎(1890-1975)の生誕130年に当たって企画され、全国5か所を巡回します。野十郎が晩年に暮らした「柏」では、野十郎の代名詞ともいえる「蝋燭」や「月」などの連作はもちろん、柏の風景や柏市の所蔵する作品を含めた初期から晩年までの作品約70点を展示。

卓越した技量に裏付けられた、鬼気迫るほどに細部まで綿密に描き込まれたその作品だけでなく、自己の信念に誠実であろうとした画家としての生き方にも注目が集まり、多くの人が魅了され続けています。

 

 

「高島野十郎」とはどんな画家なのか

画号、髙島野十郎。本名、高嶋野彌壽。

明治23年に福岡県久留米市に生まれ、東京帝国大学(現在の東京大学)農学部水産学科を首席で卒業しますが、周囲の期待にもかかわらず、水産の道に進まず画家としての人生を選びました。

独学で絵を修練し、3年の渡欧を経て一度生家に戻り、その後再び上京。そして昭和35年に都会の喧騒から逃れて千葉県柏市増尾の地に移り住みます。柏の田園風景をこよなく愛し、小さなアトリエで作画に打ち込み、世の画壇とは一切関わらず、昭和50年にひっそりとその生涯を閉じるまでひたすら事故の理想とする絵画を追求しました。

 

高島野十郎展柏会場公式ホームページ

 

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「摘水軒記念文化振興財団コレクション展」(後期)を観た!

 

「生誕130年記念 高島野十郎展」

展覧会図録

企画・運営:TNCプロジェクト

発行:TNCプロジェクト©2021

 

「高島野十郎 光と闇、魂の軌跡」

展覧会図録

2015年12月20日初版第1刷発行

2016年5月5日第2版第1刷発行

発行所:株式会社東京美術


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