世田谷文学館で「イラストレーター 安西水丸展」を観てきました。僕の知らない分野の、知らない人だったのですが、観出すと面白い、どんどん引き込まれていきます。それにしても、好きなことだけをやって一生を終える、羨ましい限りです。
展覧会の構成は、以下の通りです。
1 ぼくの仕事
装丁・装画、絵本、漫画、雑誌、エッセイ、広告、立体物など多様な仕事を紹介。
2 ぼくと3人の作家
嵐山光三郎、村上春樹、和田誠、三氏との交流のなかで生まれた作品たちに焦点を当てます。
3 ぼくの来た道
イラストレーターを夢見ていた幼少期からの作品や資料、生涯愛した品々を紹介。
4 ぼくのイラストレーション
安西水丸が描いた原画や本展のために復刻制作された作品などを展示。
安西水丸(1942-2014)は、1970年代より小説、和田誠、さんし、漫画、絵本、エッセイや広告など、多方面 で活躍したイラストレーターです。はじめ広告代理店や出版社に勤め、デザイン等の仕事 をしながら、嵐山光三郎の勧めで「ガロ」に漫画を掲載、南房総で過ごした日々などを題材 とした『青の時代』が高い評価を受けます。 独立後は、村上春樹をはじめとする本の装丁や、『がたん ごとん がたん ごとん』などの絵 本、和田誠との展覧会、広告や執筆活動など、幅広く活躍しました。「その人にしか描け ない絵」を追求し、身近なものを独自の感性で表現した作品は、私たちをユーモアと哀愁 あふれる世界へと誘います。 本展では、「小さい頃よりずっと絵を描くことが好きだった」という安西の幼少期から晩 年に至るまでの足跡を、原画と関連資料あわせて500点以上によりご紹介します。加えて、 「旅」をテーマにした特別コーナー「たびたびの旅」では、旅にまつわる原画、原稿、郷 土玩具、民芸品など初出品資料を含む約130点を展示。生涯で国内外のさまざまな場所を訪 れた「旅する人」・安西水丸にも迫ります
会場風景
たびたびの旅
安西水丸(1942-2014)
東京生まれ。イラストレーター。日本大学芸術学部美術学科造形コース卒業。電通、ADAC(ニューヨークのデザインスタジオ)、平凡社でアートディレクターを務めた後、フリーのイラストレーターに。広告、雑誌の表紙や挿絵、書籍の装画ほかで活躍のかたわら、小説、エッセイ、漫画、絵本などの自著も多く手掛け、今なお高い人気を博している。朝日広告賞、毎日広告賞、1987年日本グラフィック展年間作家優秀賞、1988年キネマ旬報読者賞など受賞多数。
世田谷文学館|イラストレーター 安西水丸展 (setabun.or.jp)
入館チケット
嵐山光三郎セレクション
安西水丸短篇集
「左上の海」
中公文庫
2021年6月25日初版発行
著者:安西水丸
発行所:中央公論新社
「夢の中でとってもきれいな海を見つけたの。わたしのいる、ずっとずlっと左上の方に」。夢と現実の交錯。そして訪れる突然の別れを描いた表題作ほか、二度と戻らない時間や、大切な人の喪失、刹那の愛の風景を、いらすとれーたーならではのまなざしで切り取る作品集。盟友のセレクトによる12篇を収録する。
解説:嵐山光三郎
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