横浜・そごう美術館で、「京都・細見美術館展 Part Ⅰ 都の遊び・王朝の美―美を愛でる、京を知る―」を観てきました。Part Ⅱはちょっと間が開きますが、「琳派・若冲と雅の世界」と題して、2012年5月26日(土)から7月16日(月・祝)まで開催されます。なぜか図録は、Part Ⅱの分はありますが、Part Ⅰの分はありません。しかし入場券は、Part ⅠとPart Ⅱをセットにして前売りで買うと、1500円と格安になっています。
細見美術館は、大阪の実業家であった故 細見良(初代古香庵)にはじまる細見家3代のコレクションをもとに、1998年3月京都の岡崎に開館しました。その収蔵品は、縄文・弥生時代の土器に始まり、仏教・神道美術、絵巻物や水墨画、茶の湯釜などの工芸品、近世の風俗画、琳派や伊藤若冲を中心とする江戸絵画など、日本美術のほぼ全ての分野、時代を網羅し、国内外で高い評価を得ています。(HPより)
2009年6月に日本橋高島屋で「日本の美と出会う―淋派・若冲・数寄の心―」展を観ました。この展覧会は、「細見美術館開館10周年記念展」で、すべての出品作品が細見美術館所蔵のものでした。そんなこともあり、京都へ行く機会があったら、必ずや訪れたいと思っていた美術館でした。俵屋宗達や尾形光琳、尾形乾山など、そして酒井抱一や鈴木其一、丸山応挙もあり、また葛飾北斎、「夜鷹図」と「五美人図」も出ていました。最後のコーナー、「数寄の美とかざり」では、細見古香庵の厳しい鑑識眼をくぐり抜けた茶道具の数々も出品されていました。
今回の 「京都・細見美術館展 Part Ⅰ 都の遊び・王朝の美―美を愛でる、京を知る―」は、出品目録を見ると全部で87点、3つのコーナーに分かれていました。まずは「王朝の雅―和歌と物語―」、そして「都の四季―遊びと飾り―」、最後は「京の絵師―若冲から雪佳まで―」です。最初の「王朝の雅」では、硯箱や煙草盆が出されていましたが、これは見事なものです。本阿弥光悦書・俵屋宗達下絵の「和歌断簡」や「扇面」は、僕には残念ながら良さがよくわかりません。
今回出されていた屏風は良かったですね。「誰が袖図屏風」や「花車図屏風」は圧巻でした。最後のコーナーで、応挙の「若竹に小禽図」、若冲の「伏見人形図」がありました。また神坂雪佳の作品が12点も出されていました。しかしこれといって展覧会の目玉がないようで、ちょっと寂しい感じがしました。もちろん、その分、次回の「琳派・若冲と雅の世界」に期待がかかりますが。
王朝の雅―和歌と物語―
都の四季―遊びと飾り―
京の絵師―若冲から雪佳―
京都・細見美術館展 Part Ⅰ
「都の遊び・王朝の美―美を愛でる、京を知る―」
2012年そごう美術館では、「京都 細見美術館展」を2期に分けて開催し、同コレクションから厳選した作品の数々をご紹介します。 平安時代以来、長きにわたり文化の中心であった京都。都で生み出されてきた様々な美術は、平安の王朝期に始まる和歌や物語、優雅な遊び、祇園祭や賀茂競馬といった祭礼など、都のあらゆる文化が源泉となっています。Part1の展覧会では、歌仙絵や物語絵、祭礼・遊楽図屏風、きらびやかな調度品のほか、俵屋宗達をはじめ円山応挙、伊藤若冲、近代の神坂雪佳にいたる京の絵師達の絵画まで、京都にまつわる作品約80点を展覧し、長い歴史のなかで受け継がれ育まれてきた「都の美」をご紹介します。
京都・細見美術館展 Part Ⅱ
「琳派・若冲と雅の世界」
2012年5月26日(土)―7月16日(月・祝)
そごう美術館
「日本の美びと出会う―淋派・若冲・数寄の心―」
図録
編集:細見美術館
制作・発行:毎日放送
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