東京・銀座のメゾンエルメス8階フォーラムで、山口晃の展覧会「望郷―TOKIORE(I)MIX」を観てきました。山口の作品を纏まって観るのは、銀座三越で開催された「山口晃展 東京旅ノ介」 以来、2度目ということになります。
チラシの裏には、以下のようにあります。
東京広尾で生まれた山口は群馬県桐生市で育ったのち、大学入学にあたり再び東京での生活を始めました。東京というモチーフは、日常的な都市景観のおかしみにおいて際立っており、山口は今までも幾度となく描き作品としてきました。諧謔を織り交ぜつつ、甘美な哀愁に流されつつ、今はなき、慣れ親しんだ風景を、色鮮やかにたどることで故郷への思慕を現してきたのである。
今回展示されている作品は、以下の通りです。
(画像は、Fashionsnap.com
より)
1.忘れじの電柱/2012
2.正しい、しかし間違えている/2012
3.Tokio山水(東京圖2012)/2012
今回、新作で構成されるフォーラムの展覧会は、作家を代表する鳥瞰図のみならず、電柱のシリーズやノスタルジックな仕掛け小屋などによって立ち現れる東京の街並みです。東京という街が歴史の中で纏ってきた美意識にどこまでも忠実でありながら、時間軸だけがデフォルメされたこの風景に身を投じるとき、私たちは望郷への想いを共有します。見過ごしてしまいそうな位、我々の身体に染み付いている都市の記憶をすくいとり、軽やかに時をとどめ、超越する間隔は、古の街歩きに似た風情があるのです。
トウヨウリミックス、トキヲリミックス、トキオリミックス。タイトルに含まれる「言葉あそび」に惑わされるように、見るものの間隔もミックス(攪拌)され、見慣れた東京の街が、過去、現在、未来、時が幾重にも重なった不思議な姿で浮かびあがります。
山口晃は1969年生まれ、群馬県桐生市に育つ。東京藝術大学では油画を専攻し、1996年に同大学院美術研究科絵画専攻(絵画)修士課程修了。卒業後、日本美術史と大和絵の深い造詣と精緻な技術をもとに、時空の混在し、古今東西様々な自称や風俗画、卓越した画力によって画面狭しと描き込まれた年鳥瞰図や合戦図などが代表作。2001年には、第4回岡本太郎記念現代芸術大賞優秀賞を受賞。近年では美術展のみならず、 書籍や新聞挿絵、パブリックアートなど、活躍の幅を広げている。
山口晃「望郷―TOKIORE(I)MIX」
会期:2012年2月11日(土・祝)~5月13日(日)
月~土曜 11:00~20:00 (最終入場 19:30)
日曜 11:00~19:00(最終入場 18:30)会期中無休 入場無料
会場:メゾンエルメス8階フォーラム(中央区銀座5-4-1 TEL:03-3569-3300)
主催:エルメス財団
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