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五島美術館で「近代の日本画展」を観た!

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五島美術館で「近代の日本画展」を観てきました。観に行ったのは、小雨降る6月7日のことでした。ちょうど1年前にも、今回と同様に「近代の日本画展」 が開催され、五島美術館へ観に行ってました。


「案内はがき」には、以下のようにありました。

館蔵の近代日本画コレクションから、「花鳥画」を中心に、橋本雅邦、横山大観、川合玉堂、小林古径、橋本関雪、安田靫彦、川端龍子、金島桂華など、明治から昭和にかけての近代日本を代表する画家の作品約40点を選び展観。


「五島コレクション」について

五島美術館の所蔵品管理分野「近代日本画」は、平成元年(1989)3月に物故された東急電鉄会長五島昇氏(1916-1989)の遺言により、同年五島家から寄贈を受けたものである。これは、東急電鉄の創始者で五島美術館を創立した五島慶太翁(1882-1959)と昇氏の親子二代にわたる収集で形成されたコレクションである。


以下、「近代の日本画」(図録)より、解説を付す。


橋本雅邦「游鶴図」。狩野派の伝統を受け継いだ的確な線描を用い、品格のある二羽の鶴の姿態を丁寧に表現する。雅邦の優れた写実力を示す作品。



竹内栖鳳「村居」。村居とは、村里に住むこと。独特の筆致を用い、淡彩で軽く描いた身近な静物(藁苞と柿)がそれを象徴する。

平福百穂「梅に小鳥」。渇筆と潤筆を使い分け、墨の柔らかで豊かな階調と淡い色彩が、春の暖かな印象を与える。百穂は、写実性の強い自然主義の画風を展開した画家。



冨田渓仙「楊柳白鷺図」。柳樹に留まる三羽の白鷺を描く。楊はカワヤナギ、柳はシダレヤナギのこと。

小林古径「茄子」。茄子の実や葉・茎は形態を単純化、厳しい筆線により葉脈を描き、全体に静かな画面を構成している。墨の濃淡の階調を使い分け、花にのみ用いた色彩が画面にアクセントを与える。



橋本関雪「藤に馬」。金地屏風の平面化した空間に、三頭の馬の親子の堂々とした存在感を描き出す。優れた写実力による、曲がりくねった枝や柔らかな藤の花の質感の表現も見事。




前田青邨「紅葉」。パターン化した紅葉の葉を画面全体に展開した装飾性の強い画面。中央の二羽の鳥が愛らしい。

川端龍子「冨貴盤」。実物大以上の大きな牡丹の花を、顔料たっぷりと使って大胆に描く。牡丹の異称は、富貴草。



土田麦僊「柘榴に叺々鳥」。叺々鳥(八哥鳥)は、アジア東部や中国南部に棲息する黒色の吉祥鳥。

金島桂華「晨光」。晨光とは、朝日の光のこと。鶴の輝く羽毛と、椿に残る雪の白色がそれを象徴する。桂華は、竹内栖鳳に師事、花鳥画を得意とした画家。



村上華岳「牡丹図」。震えるような筆致と、にじみを多用した華岳独特の画風を示す。

堂本印象「爽秋清韻」。栗の木に留まる小鳥(駒鳥)を描く。柔らかな色彩と静かな筆致が、清らかな秋の一情景を表現。



小杉放庵「啄木」。濃墨と朱を用いた啄木鳥(アカゲラ)に対し、朽ちた葉や小枝、茸を、陰影を省いた水墨淡彩と細かな筆致で描き、静かな画面を構築している。

山口蓬春「紅梅」。梅の枝に留まる小鳥(鷽)を描く。色彩の濃淡を生かし、簡略化したそれぞれの形態描写に優れた構成力がうかがえる。蓬春は、やまと絵の技法をもとに、日本画のモダニズムを追求した。



金島桂華「富有柿」。篭に無造作に入った富有柿を描く。四条派に学んだ写実力に、「院体画」の画風(精緻な写実による花鳥静物画が特徴)を加えた重厚感のある画面を示す。



「五島美術館」ホームページ


とんとん・にっき-kami3 五島美術館コレクション

「近代の日本画」

図録(小冊子)

平成14年(2002)4月1日発行
編纂:五島美術館学芸部

編集:渡川直樹

発行:財団法人五島美術館







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