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Channel: とんとん・にっき
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ワン・シャオシュアイ監督の「北京の自転車」を観た!

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イタリア・ネオリアリズムを代表する映画に「自転車泥棒」(1948年)があります。失業中のアントニオがやっと職に就いたが仕事に必要な自転車を盗まれ、他人の自転車を息子の前で盗んでしまう、というものでした。着想は(たぶん)イタリアの「自転車泥棒」を下敷きにしているでしょうが、中国の成長が著しく、都市と農村の貧富の格差が広がった北京が背景で、主人公は17歳の対比的な少年二人で進行します。


17歳の少年二人、一人は農村から出稼ぎに来たグイ、もう一人は町に住む高校生ジェン。グイは自転車宅配便の職を得ます。新しい自転車を与えられ、新しい制服に身を包んで、一生懸命に働きます。与えられた自転車は、給料から天引きされた回数が一定回数以上になると自分のものになり、その分歩合給も上がると聞いていたからです。もう少しで自分の自転車なるというところまできました。ところがある日、その自転車を盗まれてしまいます。もちろんグイは、血眼になって北京中を探し回ります。


ジェンの友達の間で、自転車の曲乗りが流行っていました。しかし父親が厳しくて、ただ一人ジェンは自転車を持っていません。親に隠れて中古の自転車を買い、見つからないように隠していきながら、仲間と曲乗りの練習に励みます。ある時、自転車のチェーンが外れて困っていた同級生の少女を助けたことで、交際が始まったりもしました。ようやくグイは盗まれた自分の自転車を見つけ出します。それはジェンが中古で買った自転車でした。ジェンは、この自転車は金を払って店から買ったものだと言い張ります。グイは、この自転車は元々自分が与えられた自転車だと主張します。


二人は自分たちの主張を一歩も譲りません。結局二人の間で、毎日交代で自転車を使うということで妥協します。ある日、ジェンは不良少年たちと喧嘩になります。自転車を取りに行ったグイは、その喧嘩に巻きこまれてしまいます。二人は必死で逃げようとしますが、自転車は壊されてしまいます。一方は親がかりの高校生、たかが自転車です。一方は、自転車は都会で目指すものの象徴です。ラストの壊れた自転車をかついで帰るグイの姿には、北京での希望ある生活が垣間見えたような気もしますが、どうでしょう。


以下、とりあえずシネマトゥデイより引用しておきます。


チェック:第51回ベルリン国際映画祭で審査員特別賞を受賞したヒューマンドラマ。経済成長が急激に加速し、都市が変ぼうしていく一方、都市部と農村の貧富の格差が社会問題となった中国・北京を舞台に、1台の自転車を介して出会った17歳の少年二人の青春模様が描かれる。主人公の少年二人を演じたツイ・リンとリー・ピンがベルリン映画祭で新人男優賞を受賞。中国で生きる少年たちのリアルな姿から目が離せない。

ストーリー:村から北京に出稼ぎに来て、自転車宅配便の仕事をすることにした17歳の少年グイ(ツイ・リン)。毎日懸命に働くグイだったが、ある日何者かに自転車を盗まれてしまう。一方、仲間たちの中で一人だけ自転車を持っていない高校生ジェン(リー・ピン)は親に内緒で中古自転車を購入。それは、グイが盗まれた自転車だった。


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