「再会の街で」、たまたまテレビを観ていたら放映されていましたが、用事があって全部は見られませんでした。後日、TUTAYAでDVDを借りて全部観ました。最初テレビで見たときに、ボブ・ディランかと思い釘付けになりましたが、すぐに違う人だと気がつきました。それにしても、人が壊れるとはこういうことなのかと驚きました。人の迷惑かえりみず、とはよく聞く話ですが、それはもうちょっと可愛いところがありますが、この人はとんでもなく壊れていました。これが911の悲劇なのか、家族を亡くしたその後遺症なのか、観ていてどんどん引き込まれました。
設定はやはりアメリカ映画、アランはニューヨークの歯科医、仕事にも妻子にも恵まれ、人もうらやむ生活ですが、お決まりの妻のジャニーといると息が詰まりそうになります。そんなある日、大学時代のルームメイト、チャーリーと街中で偶然再会します。チャーリーはヘッドフォンをして、キックボードで街の中を走り抜けていきます。汚い恰好をしていて、彼のアパートにはドラムやギターが雑然と並んでいて、どうやら仕事もないらしい。
チャーリーは、9.11の同時多発テロで妻子を亡くした過去があり、人に対して心を閉ざしてきました。彼は彼なりに、揺れ動きながら、必死で闘っているのです。アランはなんとか社会復帰をさせようと画策しますが、チャーリーには見抜かれて、怒らせてしまいます。妻のジャーニーは、あなたはチャーリーの自由をうらやんでいると言い、チャーリーに肩入れするアランに不満を募らせます。やがてアランの気持ちが通じたのか、チャーリーはセラピーを受けることになります。
しかし精神科医のアンジェラにも、チャーリーの壊れた心を開かせることは、思っていた以上に難しいことでした。そうです、チャーリーはニューヨークだけにいるのではありません。先行き不透明な時代、世界中のどこにもいるのです。アメリカ的といえばアメリカ的な映画です。壊れた人を演じるアダム・サンドラーの表情が実に素晴らしい。
以下、とりあえずシネマトゥデイより引用しておきます。
チェック:キャリアと家族に恵まれながらも人生にむなしさを感じる歯科医と、911の悲劇で家族を失い、自分の殻に閉じこもるようになった元歯科医の触れ合いと再生を描く感動作。主演は『50回目のファースト・キス』のアダム・サンドラーと『ホテル・ルワンダ』のドン・チードル。911をニューヨークで体験したマイク・バインダーが監督を務めている。繊細(せんさい)な演技を見せる実力派スター2人の競演と、物語に欠かせない要素となっているニューヨークのリアルな街並みを堪能できる。
ストーリー:キャリアと愛する家族に恵まれ、誰もがうらやむ順風満帆な人生を送るニューヨークの歯科医アラン(ドン・チードル)。ある日、彼は911の飛行機事故で妻子を亡くし、消息がわからなくなっていた大学時代のルームメート、チャーリー(アダム・サンドラー)を街で見かける。元歯科医のチャーリーは、今や世捨て人のような生活を送っていて……。
「再会の街で」公式サイト