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Channel: とんとん・にっき
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カメン・カレフ監督の「ソフィアの夜明け」を観た!

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この作品は、TUTAYAで借りたDVDで観ました。第22回東京国際映画祭(2009年)で「イースタン・プレイ」という仮題で上映され、グランプリを受賞し、その後「ソフィアの夜明け」という邦題で日本公開されたものです。ブルガリア映画が日本で公開されるのは珍しいことです。主人公は麻薬中毒から脱しつつある芸術家の兄と、ネオナチ組織に足を踏み入れた弟。冷え冷えとしたブルガリアの都市ソフィアの街を背景に、閉塞感に押しつぶされながら葛藤する姿を見事に描いています。

ネオ・ナチの集団が、旅行中の裕福そうなトルコ人夫婦とその娘を襲撃したとき、襲撃しているスキンヘッドの少年と、襲撃を見て止めに入った青年と目と目が合いました。スキンヘッドの少年はゲオルギ、襲撃を止めに入った青年は木工所で働きながら芸術作品を制作している青年イツォ、実は2人は兄弟だったのです。イツォは、重傷の父親の入院先を訪れ、娘ウシュルと親しくなります。つたない英語での端的な会話は、ますます2人を接近させます。「世界は病んでいる」と、イツォはウシュルに語ります。


父親は、ブルガリアの人間だという理由で、イツォとは距離をおくようにウシュルに告げ、1日早めてウシュルを連れて帰国します。ラスト、イツォがウシュルの住むイスタンブールに現れます。1975年生まれの新人監督カメン・カレフはインタビューで、この作品について以下のように語っています。

「本作では宗教のことに全く触れていませんが、自分を見失ってしまった人、自分と葛藤している人、自分は空っぽな人間なんだと虚無感を抱えた人間が登場します。彼らが自分の身体の内側に拠り所を見つけ、もういちど完全な心を取り戻して必死に羽ばたこうとする。また、人間にはそういうことが可能なんだという希望を描いています。映画の中で「塩味が足りない」というセリフが登場するのですが、あれは「何かが欠如している状態」を暗示しているんです。この映画を見た観客の皆さんが、答えは自分の外部にあるのではなく、自分の内側にこそあるのだと、気づいてもらえることを希望します」と。

以下、とりあえずシネマトゥデイより引用しておきます。


チェック:第22回東京国際映画祭コンペ部門で最高賞の東京サクラグランプリをはじめ、最優秀監督賞と最優秀男優賞に輝いた心を打つ人間ドラマ。元ドラック中毒患者の芸術家の兄と、反抗期の彼の弟の関係を軸に現代社会のもろさを描く。監督は、本作が長編デビュー作となるカメン・カレフ。本作撮影終了間近に急逝した故フリスト・フリストフが破天荒な兄を熱演する。社会の底辺でもがきながらも必死に生きようとする人々のリアルな青春が胸にしみる。

ストーリー:ブルガリアの首都ソフィア近郊で暮らす17歳のゲオルギ(オヴァネス・ドゥロシャン)は、坊主頭にして悪い仲間とつるんでいる。彼の年の離れた38歳の兄イツォ(フリスト・フリストフ)は、木工技師として働きながらドラッグ中毒の治療を受けていた。そのせいで投げやりに生きるイツォだが、彼にはアーティストとしての才能もあり……。

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「ソフィアの夜明け」公式サイト



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