大川美術館のホームページを見ると、美術館の沿革について、以下のようにあります。
公益財団法人大川美術館は,桐生市出身の大川栄二が約40年にわたって収集した日本・海外の作家のコレクションを中心に,市の支援を得て、平成元年に市内を一望できる水道山の中腹に開館いたしました。エントランスは小さいですが、山の中腹に建てられた建物で、5階建になっており、奥が深い構造になっています。また、小さい展示室が多数連続する、美術館としてはユニークな建築です。階段を下りながら、迷路を巡るように作品をご覧いただけます。当館は、元々あった企業の社員寮を改装して美術館として活用しておりますので、このような独特の構造となっています。
群馬県桐生市にある大川美術館で、「開館25年記念 大川美術館の軌跡」を観てきました。観に行ったのは10月22日(火)のことです。大川美術館には2011年12月に、「松本竣介とその時代」を観に行ったことがあります。この展覧会で僕は始めて松本竣介の作品を、まとまって観ることができました。その後すぐに、東日本大震災の影響で全国5美術館を廻る「松本竣介巡回展」の開催が危ぶまれているニュースがありました。結果として「松本竣介展」は開催され、僕は神奈川県立近代美術館葉山と、世田谷美術館へ観に行くことができました。
大川美術館は松本竣介(享年36歳)と野田英夫(享年30歳)の作品を核に、二人の周辺を巡る人間性豊かな画家たちの作品で構成されています。また、美術館の建築の設計は、松本竣介の息子、莞さんの手によるものです。明治期の洋画から現代の表現まで、「大川美術館の軌跡」展で紹介される約150点の作品の多くは、日ごろ大川美術館の常設展示室のなかで展示されている作品、だそうです。それにしても、多種多様な作品が・・・。特筆されるべきは、「青い絵の具の匂い 松本竣介と私」の著者・中野淳の作品が、松本竣介の作品と並んで出ていたことです。
展覧会の構成は、以下の通りです。
Ⅰ 風景
Ⅱ 街
Ⅲ 卓上
Ⅳ 色/線/かたち
Ⅴ 人間像
Ⅵ 時間
Ⅰ 風景
Ⅱ 街
Ⅲ 卓上
Ⅳ 色/線/かたち
Ⅴ 人間像
Ⅵ 時間
「開館25年記念 大川美術館の軌跡」
この春には当館開館時の大川栄二コレクション1,200点より代表作品約200点を一堂に会し、大川美術館コレクションの源流の粋をおたのしみいただきました。本展では、この源流展で紹介した当館の代表的な作品に加え、開館以降25年にわたり積み重ねてきた収集・展示活動の成果をご堪能いただきます。明治期の洋画から現代の表現まで、本展で紹介する約150点の作品の多くは、日ごろ大川美術館の常設展示室のなかで展示されている作品です。この展覧会では、歴史的な視点とは別の、モチーフあるいは主題の面から選び直し、一つの展覧会に構成しています。展覧会を構成する「風景」「街」「卓上」「線/色/かたち」「人間像」「時間」の6つの章に分けた展観から、新たな視点で大川美術館コレクションをお楽しみいただければ幸いです。
大川美術館の軌跡
2013年10月5日発行
発行:公益財団法人大川美術館
過去の関連記事:
大川美術館で「松本竣介とその時代」展を観た!