ミヒャエル・ハネケ監督・脚本「愛、アムール」を観てきました。ハネケの作品は、過去の「白いリボン」を観たことがあります。「白いリボン」は2009年、そして「愛、アムール」は2012年、カンヌ映画祭最高賞パルム・ドールを受賞し、なんと2作品連続という快挙を成し遂げたという。調べてみたら、パルム・ドール2作品受賞している監督はハネケを含めて7組、日本人では今村昌平監督が1983年「楢山節考」、1997年「うなぎ」で、2作品受賞しているそうです。
人間誰しも避けて通ることのできない「老い」と「死」。この映画は老いた夫婦の、老いとの戦いの物語です。夫ジョルジュとその妻アンヌ。パリ中心部の高級アパルトマンに住む、ともに音楽家の老夫妻です。アンヌの愛弟子のピアノ演奏会に2人揃って行き、満ち足りた一夜を過ごしました。翌日、朝食の最中、アンヌに小さな異変が起こります。アンヌは病に冒され、病は徐々に進行していました。医者嫌いのアンヌは病院に戻さないでくれと夫ジョルジュに懇願します。ジョルジュは妻の言うことを受け入れ、自宅でともに暮らすことを決心します。
アンヌは誇りを失わず、これまで通りの生活を貫きます。離れて暮らす一人娘のエヴァも、そんな彼らの生活を尊重し、敬意を持って見守ります。アンヌの病状は確実に悪化し、ほとんど一人ではなにもできないほどにまで進行します。看護師に加えて雇ったヘルパーの心ない仕打ちに毅然とした態度で向き合い、ヘルパーを解雇します。それでもジョルジュは、アンヌに対して献身的に世話を続けます。ますます世の中からも2人は孤立していきます。2人きりになったジョルジュとアンヌ。夫はうつろな意識の妻に向かって、懐かしい日々の思い出を語り出します。そして破局が・・・。
以下、とりあえずシネマトゥデイより引用しておきます。
チェック:第65回カンヌ国際映画祭で、最高賞にあたるパルムドールに輝いたヒューマン・ドラマ。長年にわたって連れ添ってきた老夫婦が、妻の病を発端に次々と押し寄せる試練に向き合い、その果てにある決断をする姿を映し出す。『ファニーゲーム』『白いリボン』の鬼才ミヒャエル・ハネケが、沈痛かつ重厚なタッチで追い詰められた老夫婦が見いだす究極の愛を浮き上がらせていく。『Z』『消される男』のジャン=ルイ・トランティニャン、『トリコロール/青の愛』のエマニュエル・リヴァと、フランスが誇るベテラン俳優が老夫婦を演じているのにも注目。
ストーリー:パリ在住の80代の夫婦、ジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)とアンヌ(エマニュエル・リヴァ)。共に音楽教師で、娘はミュージシャンとして活躍と、充実した日々を送っていた。ある日、教え子が開くコンサートに出向いた2人だが、そこでアンヌが病で倒れてしまう。病院に緊急搬送され、かろうじて死だけは免れたものの、半身まひという重い後遺症が残ってしまう。家に帰りたいというアンヌの強い願いから、自宅で彼女の介護を始めるジョルジュ。しかし、少しずつアンヌの症状は悪化していき、ついに死を選びたいと考えるようになり……。
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