2012年10月21日から10月30日まで10日間の「トルコ旅行」、世界遺産「トロイの古代遺跡」へ行ったのは、3日目のことでした。イスタンブルからトロイまではバスで約345km、途中、ダダネルス海峡をフェリーで渡りました。遺跡の入口から、あの有名な木馬が見えます。内部に登ることができます。トロイ戦争のエピソードにちなんで建てられたもので、特に歴史的な価値があるわけではなく、観光用のものです。
トロイの古代遺跡は、発掘された遺跡を途中でそのまま手つかずに残してある、といった印象です。ホメロスの伝承を信じたシュリーマンの発掘で、奇跡的に白日の下に引き出された古代都市です。とはいえ、時は流れ、戦場だった浜は、かつては入江だったところも土砂で埋まってしまい、今では海まで5kmほど遠くになっていました。遺跡は、異なる時代の遺構が何層にも重なり合って、一目でいつの時代のものか、説明がなければほとんどわかりません。遺跡は頑丈な城壁の下から始まり、案内に従いざっと1時間、一周できるようになっています。
長い期間に町が重なって卵形にできあがったヒサルルクの丘の遺構は、時代ごとに9つの市に分けられています。この遺構をトロイとするのが大勢ですが、これまでの発掘からは、それを明確に証拠立てる碑文などは見つかっていません。下の図は、「トロィア/ウイルサ ガイドブック」より見つけたものです。シュリーマンの発掘の経緯や「時代ごとに9つの市」については割愛、ホメロスが叙事詩「イーリアス」に描いたトロイ戦争についても割愛します。
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「トルコ」へ行ってきました!
*参考文献
2012年4月5日第4版第1刷発行
編集:ブルーガイド海外版編集部
トロイア/ウイルサ
発掘責任者による
歴史概説と遺跡見学ガイド
マンフレド O.コルフマン
英語版からの翻訳
原田武子
日本語版2006年