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Channel: とんとん・にっき
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LIXILギャラリーで「酒井稚恵展 ほうき星、あらわる」を観た!

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LIXILギャラリーで「酒井稚恵展 ほうき星、あらわる」を観てきました。「布」については僕はほとんどなにも分かりません。酒井稚恵の作品のタイトルやフォルムには、独特の存在感があります。転機は今春、高知県の五台山竹林寺(遍路寺)の客殿に展示したことで、新たな空間体験をしたことによるもので、会場を下見した時、アンチされていた大日如来像の姿がどこかに残っていて、宇宙的なイメージを感じたという。今後も、この体験を活かして、新しく生まれた感覚の作品をつくっていきたいと、酒井は抱負を述べています。


展覧会詳細は、以下の通りです。

酒井稚恵の作品は布を使ったインスタレ-ションです。ストライプや水玉模様の既成の布地を何メートルも使い、その模様を縫い合わせることで独創的なかたちを表現します。海外や関西を中心に活躍中の酒井による本展覧会では、「ほうき星、あらわる」「星をけちらしながら」など、宇宙をイメージした新作8点を発表します。


1.手芸マジックでつくるダイナミックな存在感
一見すると8m の高さから落ちる青い滝。近づいてみると青と白の光沢あるストライプの布を、糸で縫い縮めをして立体的に浮き出させていることがわかります。直径7m の深紅の大輪の花が床に広がっているように見える作品も、赤地に白い水玉模様の布を使い、水玉模様同士を縫い合わせることで、新たに放射状の模様をかたちづくっています。酒井稚恵の作品はいずれも「シャーリング*1」や「スモッキング*2」といった手芸の技法を用い、一針ずつ縫い上げる手作業でつくられています。縫い縮めたり縫い合わせたりすることで現われるやわらかな立体感と、大きな布のもつ重量感や存在感を感じさせるダイナミックな作品です。
*1 洋裁で、細かいギャザーを寄せて模様や変化を出すこと。
*2 布地を縫い縮めてひだを寄せた上をかがって模様を表し、ひだを固定する技法。


2. 布のもつ時代性と彫刻の普遍性
酒井稚恵は大阪芸術大学大学院の工芸コースで制作を始めました。自ら織機で布を制作する中で、縦糸と横糸の碁盤の目のようなラインに歪みを生じさせ、揺らぎを表現したいと考えるようになり、現在の作風が誕生しました。酒井稚恵は流行を反映する布素材、古くからの手芸の技法、彫刻のような存在感によって時代性と普遍性を合わせ、毎回新作を発表しています。

3.「ほうき星、あらわる」新作公開
今回出品される作品は新作8 点です。これまでの大きな平面的な作品から、今春、高知県の大日如来像が安置される竹林寺客殿での展示体験から生まれた立体的な作品へと、新たな世界が始まりました。「ほうき星、あらわる」「星をけちらしながら」と名づけられた「宇宙」をイメージした新作も合わせてご覧下さい。










作家略歴:
1977年 神戸市生まれ
2000年 大阪芸術大学 工芸学科 テキスタイルデザインコース卒業
2002年 大阪芸術大学大学院 芸術制作研究科 表現領域Ⅴ(染織)修士課程修了

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