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Channel: とんとん・にっき
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「トルコの建築と都市計画 ル・コルビュジエの目」

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ル・コルビュジエの自叙伝に「ル・コルビュジエの手帖 東方への旅」という20万円以上もする豪華本が同朋社出版から出ていることは聞いていましたが、どんな本かは手に取ったことがないのでわかりません。鹿島出版会のSD選書にも「東方への旅」があるようですが、僕は持っていないので、同じものかどうかは分かりません。いずれにせよ「東方への旅」は、若き日のル・コルビュジエに大きな影響を与えたということはよく知られています。同時に「スケッチと旅の記録」は膨大なもののようで、そのエッセンスは後のコルビュジエの作品の端はしに出てくることが多くの識者に指摘されてもいます。


僕はどこへ行くのも下調べをしないで行くことが多いのですが、ということは行き当たりばったり、出たとこ勝負で、気になったことは後になって調べることがほとんどです。先日行った「トルコ10日間」の旅行で、いろいろありましたが、「エフェソスの古代遺跡」は事前にはほとんど知らなくて、思わぬ収穫でした。「エフェソス」についてはおいおい書くとして、ここではエフェソスの古代遺跡を見終わって、出口の売店で買った本についてです。


その本は「TURKISH ARCHITECTURE AND URBANISM THROUGH THE EYES OF L.C.」という長いタイトルです。日本語にすると「トルコの建築と都市計画 ル・コルビュジエの目」といったところでしょうか。「エフェソス」の観光案内書を買ってから売店の棚を見ると、何とこの本が目に入りました。パラパラと見ると、コルビュジエらしいスケッチの数々が目に入りました。これは買わずにはいられません。若い頃のコルビュジエがいとこのジャンヌレと2人で、イタリアやギリシャへ旅行したことはよく知られています。が、しかし、トルコへ行ったことはこの本を手にするまで僕は知りませんでした。トルコといっても、イスタンブル周辺だけのようですが・・・。


帰ってきてから「コルビュジエ全集」を見てみると、「Le Corbusier 1910-29 Vol.1」に、コルビジュエのスケッチと旅の記録として、まず最初に出てきました。1ページ、2ページが「オリエント」、3ページが「アテネ・ポンペイ・ピサ」、4ページが「ヴェニス・ローマ・フランス」、そして5ページが「中国・日本」でした。「オリエント」は最初の2ページにまとめられていました。今回買った本、「TURKISH ARCHITECTURE AND URBANISM THROUGH THE EYES OF L.C.」についてはまだ詳しく読んだわけではないので、本の内容は述べられませんが、特にイスタンブルのモスクのスケッチは数多くあり、この本の中核を担っています。たぶんまだこの本は、翻訳されていないのではないかと思います。


この本の著者はEnis Kortan、イスタンブルで建築家の資格を取り、マルセル・ブロイヤーや、スキッドモア・オーイングス・メリルのニューヨーク事務所でゴードン・バンシャフトの下で働いたという。現役の建築家であることに加え、アンカラのテクニカル大学の教授、イスタンブルの大学でも教えているようです。また幾つかの著作もあるようです。


僕も誤解していましたが、世界の半分はイスラム世界、かどうかは分かりませんが、以前古市徹雄の「カラー版 世界遺産の建築を見よう」(岩波ジュニア新書:2007年3月27日第1刷発行)という本を見ていたら、「西洋建築の流れ」と「イスラム建築の流れ」という全体が2部構成でまとめられていました。もちろんイスラム建築にはモスクがたくさん出て来るのですが、古市の言うには、「イスラムを西洋建築史と同等に扱っているのは、イスラム建築が果たしてきた役割を見ていくと、西洋建築に与えた影響が大きいからです」とありました。今から思うとそれもあって、僕はトルコへの旅を考えたというわけです。


 


以下、「トルコの建築と都市計画 ル・コルビュジエの目」より、コルビュジエのスケッチを少しだけ載せておきます。


















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