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隈研吾の「日本の建築」を読んだ!

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隈研吾の「日本の建築」(岩波新書:2023年11月29日第1刷発行)を読みました。

 

西欧の建築に日本が出会って約一五〇年、建築家たちは日本建築をどう捉え、どう表現してきたのだろうか。たびたび災害に見舞われる日本で、たとえば村野藤吾をはじめとする建築家は「弱さ」や「小ささ」を大切にしながら、モダニズムとは異なる道を歩んだ。その精神を受け継ぎ著者は次へと歩を進める。日本建築の本質と未来。

 

目次

はじめに――死体ではなくナマモノとして
Ⅰ 日本という矛盾――構築性と環境性
 はじまりの
 木箱タウトvs.フォルマリズム
 桂離宮という「奇跡」
 桂離宮,伊勢神宮vs.日光東照宮
 伊東忠太の反逆
 西欧の二項対立
 日本と西欧の距離と反撃
 日本のサヴォア邸
 丹下健三「大東亜建設記念営造計画設計競技」一等案
 丹下の矛盾と伊勢神宮の両義性
 レヴィ=ストロースの着眼点
Ⅱ 革命と折衷――ライト,藤井厚二,堀口捨己
 ライトによる転倒
 浮世絵と庇との遭遇
 ヴァスムート・ポートフォリオと巨匠たちの遭遇
 ベーレンスによる脱色
 建築の二〇世紀――「自由」な建築
 六人の「折衷」建築家
 藤井厚二――曖昧さとエンジニアリング
 聴竹居――コルビュジエへの挑戦
 小さなエンジニアリング
 木という特別な物質
 堀口捨己――早すぎた分離派建築会
 オランダとの出会いと紫烟荘
 物質としての建築論と茶室との遭遇
 民藝と考現学によるモノの発見
 大震災,疫病から弱い物質とモノへ
Ⅲ 数寄屋と民衆――吉田五十八,村野藤吾,レーモンド
 吉田五十八,村野藤吾と戦後
 西欧による挫折と数寄屋の近代化
 吉田の焦りと矛盾
 明るい数寄屋と引き込み建具
 線の排除と大壁造
 村野のヨーロッパ体験と反東京
 革命への挫折,北欧建築の発見
 「西」の数寄屋
 関西の小ささ,関東の大きさ
 大地の発見
 弱さの発見と瓦礫の上に咲く花
 二種類の数寄屋
 木材不足と細い柱
 歌舞伎座をめぐる闘い
 新歌舞伎座における村野の挑戦
 捻子連子による吉田の挑戦
 面取りと表層主義
 西と東の長い確執
 西の大陸的合理性,東の武士的合理性
 千利休における西と東
 小さな江戸,大きな明治
 小さな建築としてのモダニズム
 垂直性への嫌悪
 丹下の垂直性
 老馬にまたがるドン・キホーテ
 ラボとしての数寄屋
 中間粒子とオマケの可能性
 中間粒子による増改築
 レーモンドと日本
 レーモンドのバウハウス批判
 製材の木造と丸太の木造
 民藝運動とペリアンチェコの民家と足場の丸太
 レーモンドの斜め
 ピロティから孔へ
 土間と孔
Ⅳ 冷戦と失われた一〇年,そして再生
 日本の敗戦と日欧の均衡の崩壊
 冷戦が要請した,建築を媒介とする日米和解
 若いアメリカの象徴,松風荘
 和解がもたらした日本の分断
 丹下健三の怨念と伝統論争
 土着の縄文vs.アメリカの弥生
 丹下自邸という究極の和洋折衷
 自邸取り壊しと日本との訣別
 縄文からコンクリートへ
 建築による戦後日本の分断
 鈴木成文と内田祥哉
 西山夘三と生活への回帰
 51C型と東求堂建築生産とプレハブ
 日本の木造建築のフレキシビリティ
 日本のモデュール
 バブル崩壊と木造との出会い
 頭からでなく,モノから考える方法
 失われた一〇年と新しい日本
おわりに
 図版一覧
 主要参考文献

 

隈研吾(クマ ケンゴ):
1954年,神奈川県生まれ.東京大学大学院建築学専攻修了.コロンビア大学建築・都市計画学科客員研究員などを経て,1990年,隈研吾建築都市設計事務所設立.現在,東京大学特別教授,名誉教授.
著書に『負ける建築』『小さな建築』『点・線・面』『対談集つなぐ建築』(岩波書店)のほか,『場所原論』(市ヶ谷出版社,全2冊),『建築家,走る』『ひとの住処1964-2020』(新潮社),『隈研吾作品集2006-2012』『隈研吾作品集2013-2020』(A.D.A.EDITA Tokyo),『新・建築入門』(筑摩書房),『東京TOKYO』(KADOKAWA),『くまの根――隈研吾・東大最終講義』(共著,東京大学出版会)など多数.海外での翻訳出版も続いている.

 


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