磯田道史の「歴史とは靴である」(講談社文庫:2022年4月15日第1刷発行)を読みました。
磯田道史、NHKBSの「英雄たちの選択」、好きでよく観てるんで、あの野暮ったさを見るにつけ、他人とは思えないほど親近感があります。
また、僕の好きな井上章一と同じ職場、国際日本文化研究センターというのも、好きな理由の一つです。なにしろ井上章一は、建築畑では広範囲でさまざまのことをカバーしているたぐいまれなる人物です。その薫陶を受けて、かどうかはわかりませんが、歴史家としては面白い人物と思っています。最近では、二人で「歴史のミカタ」という本を出しています。
意外や意外、僕は磯田道史の本、あんまり読んでいないんですよね。
本屋でぶらっと眺めながら歩いていると、透明のビニールカバーでしっかり包装されていたのを見つけて、なんじゃこれは、ビニ本かと、手にとりました。それがこの本、「歴史とは靴である」、題名してからが面白そう。このビニ本、中身は見えないが、ぜひ買って読まなくちゃ…。
本書は2020年1月、小社ゆり刊行された単行本を文庫化したもの、文庫化にあたり、新たに二つの対談を抄録しています、と但し書きがありました。
本書は、鎌倉女学院高等学校にて、2019年6月11日におこなわれた特別授業の内容を元に再構成しました。
「日本」は着ぐるみがつくった国?元号はこうして決まる。ニセモノはなぜ生まれるのか──。古都鎌倉の高校生を前にイソダ先生が行った特別講義。
「歴史は好きか嫌いかの嗜好品ではなく、安全に世のなかを歩くためのむしろ実用品である」という目からウロコな歴史の見方が反響を呼び、さらなる対話を生んだ。
「ブタやトイレに歴史はあるか」「カミ・クニ・カネの『3K』」「『いまだから言える』ということ」「おめでたいときも、災害のときも」「教養とはムダの別名である」
「歴史は実験できない。ただし、ある程度の法則性はある」
こんな授業を受けてみたかった。
図書館の本を読み尽くした!筋金入りの学者が語る「歴史」とは。
「ビリギャル」こと小林さやかさんをはじめとする2対談を、文庫化にあたり新規収録。
ここで目次を書くべきですが、止めにして、大項目だけを・・・。
目次
歴史と人間
休憩中の会話
歴史の「現場」
一冊の本がさらなる対話を生む
磯田道史:
1970年、岡山県生まれ。歴史家。国際日本文化研究センター教授。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。「武士の家計簿」(新潮新書)で新潮ドキュメント賞、「天災から日本史を読みなおす」(中公新書)で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。「殿様の通信簿」(新潮文庫)、「近世大名家臣団の社会構(文春)春学藝ライブラリー)、「無私の日本人」(文春文庫)、「感染症の日本史」(文春新書)、「日本史の内幕」(中公新書)ほか著書多数。該博な知識と親しみやすい語り口で、テレビでも多くの視聴者に歴史の意味と愉しさを伝えている。
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