行定勲監督の「パレード」をDVDで観ました。原作は吉田修一、この「パレード」で第15回山本周五郎賞を受賞し、同年には「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を受賞しました。たしか「湾岸風景」もテレビドラマ化され、また映画化された「悪人」が一世を風靡したのは記憶に新しい。
4人の男女がルームシェア生活を送る都内の2LDKマンション。「神田川」世代の僕らの時代とは異なり、4人ともみんな格好いいこと。映画会社勤務の直輝、酒乱でイラストレーター志望の未来、フリーターで恋愛依存症の琴美、先輩の彼女に恋してる大学生の良介、なぜか食うに困らない連中が、色恋抜きで平和な毎日を送っています。若者同士のゆるい共同生活、うわべだけのつき合い、お互いの関係性は、原作ではオムニバス形式で語られますが、映画では省略されています。同居人は一人欠けても、一人補充すればいいだけの関係です。
そこへ異質な男サトルが転がり込んできます。「ここはチャットや掲示板のようなもの。嫌なら出ていけばいいし、いたけりゃ笑っていればいい」と、琴美はサトルに言います。「うわべだけのつき合いなんだね」と、サトルは言います。サトルは、酔っぱらった未来が連れてきた男娼でした。街では連続暴行事件が起きています。サトルが連続暴行事件の犯人ではないかと未来は疑い、直輝はそれを否定します。
街でサトルを見かけた直輝は、彼の行動に疑問を持ち、後をつけますが、孵ってからはなにも言えません。翌朝、未来のビデオテープが消去され、「犯人はサトルだ、部屋から追い出せ」と未来が迫ります。未来の持っていたテープは、レイプシーンだけを集めたものでした。琴美からは妊娠したから相手に伝えてくれと、直輝は頼まれます。良介からは片思いの女性と付き合うことになったと相談を受けます。直輝はなんで自分を頼ってくるのかとグチります。そしてラストは、暴力という衝撃的な結末をむかえます。
以下、とりあえずシネマトゥデイより引用しておきます。
チェック:表面的な人間関係で満足しながら、都内のマンションで共同生活を送る若者たちの日々を描く青春群像ドラマ。吉田修一による第15回山本周五郎賞受賞作の原作を基に、『世界の中心で、愛をさけぶ』『遠くの空に消えた』の行定勲監督が映像化した。『DEATH NOTE デスノート』シリーズの藤原竜也が主演を務めるほか、香里奈、貫地谷しほり、林遣都、小出恵介ら旬の若手実力派が集結。現代の若者の内面を鋭く切り取る、行定監督の確かな演出力が光る。
ストーリー:映画会社勤務の直輝(藤原竜也)、イラストレーター志望の未来(香里奈)、フリーターの琴美(貫地谷しほり)、大学生の良介(小出恵介)たちは、2LDKマンションで共同生活を送っていた。それぞれが不安や焦燥感を抱えながら、怠惰な共同生活を続けていたが、男娼のサトル(林遣都)が現われたことで変化が起こり始め……。
「パレード」公式ブログ
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